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2024.02.26

【竹田クニ】テクノロジーの役割〜顧客価値の進化と顧客を「動かす手法」の進化

竹田クニのインサイト

数年前と比較しても、ネット予約、キャッシュレス、spo、経営管理、シフト管理、販促・・・テクノロジーの導入は加速度的に進んできていると言えます。

外食業界は「コロナ禍の修復」から「新たな進化への投資」に向かっているのではないでしょうか?

そこには、飲食店はもちろん、テクノロジーを使った進化を提案するベンダーの両方が、「新たな価値」を志向することが求められていると思います。

価値軸とテクノロジーの関係

外食産業のテクノロジー活用は加速度的に進みつつあり、その恩恵=時間短縮、効率化、時間創出…という成果がもたらされていることは多くの人々が実感していると思います。

ベンダーも、レガシー~スタートアップまで数多くが存在し、その市場はレッドオーシャンと言えるでしょう。

DX=Digital transformationが目指すもの

DXを検索すると…

企業が、ビッグデータなどのデータとAIやIoTを始めとするデジタル技術を活用して、業務プロセスを改善していくだけでなく、製品やサービス、ビジネスモデルそのものを変革するとともに、組織、企業文化、風土をも改革し、競争上の優位を確立すること。(google検索)

とあります。

デジタルツール活用によって、業務の省力化、省人化、省略化が出来る…プロダクトの“一次機能”だけではなく、活用による顧客価値向上、従業員価値向上、組織風土改革といった「成果」を上げることが、本来的な「transformation」であります。

飲食店だけでなくベンダーに求められるのは「成果」の研究・追求と支援・伴走だと言えるでしょう。

下図はテクノロジーの活用フィールドと価値の関係をまとめたもの。下段の「価値」に関する近未来系をいかにクリエイティブに発想し形にしていくか?飲食店とベンダーの「協働」はここにあると思われます。

テクノロジーはヒトの「代替」ではなく、「補完」「拡張」」

  • 人orテクノロジー→代替性の議論

  • 人withテクノロジー→補完・拡張の議論

コスト上昇、人材不足など未曽有の厳しい経営環境変化の中、“今”に対応するだけで精一杯という心情の飲食店も多いのが現実かもしれません。しかしながら、この苦境を乗り切る中に、未来への進化が必ずあると信じます。

労働集約的な業務・・・

  • 肉体的な負荷が生じる業務は機械に→RPA、工場による加工

  • 時間を使って計算・集計を要する頭脳労働→システム化

  • 感情労働→人が集中できる環境づくりとレベルアップ

ロイヤルホールディングス㈱ 菊地会長講演資料より

外食が製造業や小売業と異なる大きなポイントは、「商品サービスの製造と提供の同時性」「接客、空間提供による心理的満足感の提供」・・・ホスピタリティ産業であるという事。

「ヒト」が担う感情労働に顧客価値向上・従業員価値向上の大きなチャンス・伸びしろがあるのだと考えられます。

顧客を「動かす手法」の進化

消費者に自店舗の存在と魅力を訴求する手法も、近年大きく多様化が進みましたが、その全体像を整理する図としてPESOモデルが有名です。

何が効果があるの?

よく飲食店からは聞かれる言葉です。

答えは「店による」なのです。その店の立地、ターゲット、対象とする飲食シーン(外食機会)によって、どの手法が効果的なのか?どういう手法を組み合わせることが効果的なのかは当然異なります。

この場では、詳細には書ききれませんが目的来店性の高い店舗で、競争力のある看板メニューを提供している店舗では、SNS、インフルエンサー活用、繁華街でウォークイン期待の高い店、大箱で宴会需要も獲りたい居酒屋などでは、google(SEO,MEO)、グルメサイト、など、訴求対象と内容によってメディアを組み合わせるべきです。

ステレオタイプ的見解に惑わされない

  • Z世代は検索エンジンを使わない・・・

  • グルメサイトを使う人は減っている・・・

といった意見?噂?を聞いたことがあるかとおもいます。こうした話には注意が必要でしょう。ネットでの消費者行動は基本的に・・・「認知→回遊→アクション」で使うメディアが多様です。

ネットリテラシーが相応にある人であれば、SNSで「いいな!」と思った店を、他メディアで口コミや評点をチェック、ポイントもらいたい(使いたい)からグルメサイトで予約…といった行動は多くのグループインタビュー等で確認されています。

もちろん、「インスタで美味しそうだったから来ました!」といった“ショートカット”のケースもあるとは思います。自店舗の特徴、売り、ターゲットと来店客の傾などを考え併せて、最適な「メディアミックス」を検証していくことが重要です。

WEBマーケティングの重要性

人口当たりの飲食店数が多い日本。(特に東京は世界第一位)

オーバーストア状態の中でのPR・販促活動は、瞬発的な集客効果ももちろん重要ですが、狙った客層が来ているか?

リピーター比率は向上しているか、客単価との相関は?…といったマーケティング活動としての重要性が増していると考えます。

自社のPESOモデル最適化にあたっては、各メディアの活用検討の前に自店舗の「価値」の定義…立地、ターゲット、飲食シーンでの強み=訴求ポイントをしっかり見極めることが重要と言えるでしょう。

竹田クニ

株式会社ケイノーツ

代表取締役

早稲田大学商学部卒業後、1988年株式会社リクルート入社。HR事業、旅行情報事業の営業部長、じゃらんリサーチセンターで地域活性事業のプロデューサー、経営企画部中長期戦略室などを経て2011年に飲食情報事業のシンクタンクHPGリサーチセンター(現・外食総研)の初代センター長に就任。計29年在籍の後、2016年に独立し(株)ケイノーツ設立。現在は外食マーケティングのスペシャリストとしてマーケティング、消費者の価値観変化、生産性向上などをテーマに記事執筆、講演活動、フードビジネス関連企業のアドバイザリー・顧問、食のビジネスマッチングなど活動中。

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