
2024.08.08
【飲食店最前線巡り #8】賛否あるサイゼリヤのモバイルオーダー、ぶっちゃけどうなの?
飲食店最前線巡りⅡサイゼリヤをデートで使うのは是か非か。ちょいちょいSNSで盛り上がる論争ですが、2024年5月に発刊されたサイゼリヤ元社長、堀埜一成さんの「2億人の経営術」を読んでなるほど、さすがと思ってしまいました。デートには向いていないという考え方は普段使いのお店である裏返し。それがサイゼリヤが目指している姿と言い切ります。「飲食店最前線巡り」の連載8回目は、そんなサイゼリヤが順次拡大しているモバイルオーダーを実際に見てきたので、体験を交えてレポートします。

人手不足・人件費高騰の打ち手とは?
人件費が年々上昇し、合わせて食材費なども値上がりして飲食業にとっては苦労が続く昨今ですが、人手不足と人件費高騰の中でも顧客体験を向上させる一手として、サービスをデジタル化するお店が急増していますよね。最近までは人によるサービスを徹底してたサイゼリヤも、決済手段の拡大、セルフレジの導入などを進めています。
そしてついにお客様が自身のモバイルを使って注文するモバイルオーダーが始まって、順次対応するお店を増やしているのです。

食材や消耗品費の高騰、人手不足。余儀なく値上げをせざるを得ない環境の中でもサイゼリヤは価格維持を徹底し、生活者からも評価が高いのはいわずもがな。外食チェーンを中心に、一般的にはこんな対策が打たれています。
◎商品の値上げ
◎券売機方式の導入
◎機械からの発券による席管理
◎テーブルオーダー端末やモバイルオーダーの導入
◎料理運搬ロボットの活用
◎セルフレジの導入
◎食後のお客様による下げ膳
◎調理ロボットの活用
どれも日常的に目に触れるので当たり前のものになってきました。チェーン店の中でもDXを積極的に推進しているすかいらーくホールディングスでは成果として、クレーム減、待ち時間減少によるサービス向上などをあげています。

出典:https://corp.skylark.co.jp/Portals/0/images/about/business/skylarkbusinessjp.pdf
また、テーブルオーダーを導入している飲食店からは「客単価が増えた」と聞くことが多いです。これは興味深い結果ですよね。食後にデザートを頼みたい、ビールのお代わりを頼みたいのにスタッフが捕まらない…誰しもが経験があると思いますが結局諦めて帰ってしまうとお店にとっては機会損失です。しかし、テーブルオーダーやモバイルオーダーであれば自分のタイミングで注文を確実にすることができます。元飲食店の店長の身としては人よりも機械の方が単価を上げられるの悲しい現実です。
余計なものはなにもないシンプルオーダー設計
百聞は一見に如かず、実際にモバイルオーダーを導入しているサイゼリヤ店舗へ行ってみました。ただ、最初に足を運んだお店は未導入店で、3店目でやっと出会えました。まだまだ展開はこれからという段階ですね。
これまではテーブルに設置されている専用用紙にメニューブックに書いてある記号と番号を記入して渡すアナログな方式でした。コロナ環境下で接触を減らすこと、オーダーミスを防ぐことを目的にしていたと聞きましたが、その用紙を見ながらスタッフさんが声を出して復唱したり、お客様が番号を書くことの精度など、どれほど課題をクリアできたか気になります。

テーブル上の景色はこれまでと大きく変わりませんが、カトラリーボックスにスーパーの値札表示のような小さな液晶画面が付けられていました。またA4サイズのオーダー注文方法も置かれています。液晶画面に表示されているQRを読み込むと…


Webブラウザ上で注文を始める画面が出てきます。画面がシンプルで操作も難しくないです。基本スタンスは手書きの時と同じでメニューブックは残す方針で、メニューブックから番号を転記する流れです。

で、入力するとこんな画面に。モバイルオーダーで間違いやすいと言われる個数表示もわかりやすいですね。ボタンも2択だけ。それにしてもパスタとドリンクバーでランチ価格600円は相変わらず安いですね。

紙のメニューを残す?残さない?
テーブルオーダー端末、モバイルオーダー端末での分かれ道は「メニューブックを残すかどうか」問題です。メニューブックは店舗数×卓数分必要であり、かつ防水加工などで制作費も安くないので、飲食店側としてはコスト削減含めて無くしたい意向が強いです。
一方でお客様側の体験としては、個人的には居酒屋さんでみんなでどれにすると注文を決めるのも大切な時間なので、みんなでもくもくと自分のスマホで食べたいものを注文するのは寂しさを感じており、紙のメニューブックとオーダー端末の組み合わせが大好きです。みなさんはどうですか?
これは業種や店舗のコンセプトによっても正解が異なりますよね。1,000店以上の某チェーン店では最初はメニューブック無し、テーブルオーダーのみでスタートしたが、あまりにもメニューを見せて欲しいという要望が多く、復活したという話もあります。
後発優位性を活かしたレジ周り
お会計もパワーアップしていました。これまで通り紙の伝票も渡されますが、先ほどのモバイルオーダーにバーコードが記載されていて、セルフレジで読み込ませるとお会計ができます。近い将来、伝票自体の存在も無くす考えなのかもしれませんね。

サイゼリヤは客席のデジタル化を開始するのは遅かったです。他のチェーンが導入を進める中でも新しい機能、サービスも付随されていて、多くの店舗のレジ周りは後付けの機器やコードでごちゃごちゃしている印象が多くないですか?
見てください、サイゼリヤのレジ周りを。まさに後発優位性をフルで活かしている印象です。チェーンによっては決済端末が複数あることも見受けられるますが、これほどすっきりしているのは驚きです。

後発優位性はレジ周りだけではなく、お客様対応にも活きていると想像できます。テーブルやスマートフォンで注文することはマクドナルドや回転寿司、ガストですでに体験しており、先行企業が歩んできた「使い方がわからない」「初めて使う」お客様への説明活動があってこそ、多くの人がサイゼリヤでも使える状態なのだと思います。
シンプルで簡単なモバイルオーダーで、自分の好きなタイミングで注文できる便利さを実体験してきました。ランチタイムに使ったので注文は1回だけでしたが、次はちょい飲み…いや本格的飲みでアルコール、おつまみを何度も注文するシーンで使い勝手を試しにきます。











































