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2025.02.12

外食経営者が作った飲食店向け人事評価システム「ニュートン」は店舗が直面する課題解決がカギ<後編>

俺のサービスを聞け

飲食店経営を母体としながら、その知見を元にした飲食特化型の人事評価システム「ニュートン(Newton)」を開発提供しているのが、株式会社Leap-itの亀岡佑祐(ゆうすけ)氏だ。サービス概要や独自性に加え、開発に至った経緯や今後の目標などをたずねた。(前編はこちら

優秀な人材の離職率を下げ生産性を上げる

前編では「ニュートン」のサービス要点や強みなどを解説した。その特徴は、飲食店経営で重要なふたつの人事課題“良い人材が離れない組織を作る”と“教育を最大化し生産性を向上させる”に着目し、現場・会社・お客様のすべてが繋がる仕組みを実現できること。

 それぞれの課題を解決することで店舗運営力を上げ、利益率アップを目指すのが「ニュートン」だ。なお、特に独自性として挙げられるのは、1人対1人ではなく複数人対1人で評価できるため、偏りや好き嫌い、相性の悪さなどが出ない公平かつ全方位的な評価ができるところである。

 亀岡氏は自社店舗の一例として、その効果を見せてくれた。たとえば月商は前年比119.5%と向上した一方、月間の労働時間は90時間も削減。その他、俗人的な運営から脱却して離職率も低下するなど、さまざまな改善が見られたという。

飲食業出身者がなぜシステム屋に?

ところで、人事評価システムには既存のサービスも多数存在する中、なぜ自社でイチから「ニュートン」を開発しようと思い立ったのだろうか。そこには、当時亀岡氏が抱えていた既存システムへの不満があった。

「当初は既存の人事評価システムも検討し、資料を読み込んだり商談で話を聞いたりしました。しかし、どれもオフィスワーカー向けの設計となっており、飲食店で導入したとしても使いづらいイメージが強かったんです」

そしてもうひとつ気になるのが、どのようにして「ニュートン」を設計したのか。亀岡氏は夜職の接客業や飲食業の出身であり、キャリアとしてIT業界とは無縁である。

「学校や仕事ではIT分野と携わってきませんでしたが、もともとパソコンの扱いは得意なんです。なので、最初はエクセルを使って独自のデータを作り、会社や店舗の経営管理をしていました。しかしエクセルやスプレッドシートだと、どうしても時系列を組み込むことが難しい。そこで、途中まで作った設計図をシステム開発の企業に外注して『ニュートン』を作り上げたんです」

聞けば、開発に当たって参考にしたのは他社の人事評価システム以上に、選手育成をメインに盛り込んだスポーツゲームだという。

「こういったゲームって、チームや選手のデータ画面が瞬時にわかりやすいよう設計されてるじゃないですか。この点は『ニュートン』を使っていただくうえでも重要だと思っており、かなり参考にさせていただきました」

導入した飲食店から届くリアルな反響

「ニュートン」のリリースは2023年の8月。現在導入している企業のうち2割は既存システムからの乗り換えだというが、採用後の反響としてどのような声が届いているのだろうか。

「たくさんありますね。『評価業務が紙ベースで行うよりもスムーズになった』『多店舗展開を視野に入れやすくなった』『スタッフへの指導を口頭ではなくニュートンの評価制度で行おうと思うようになった』『冷静に数字の振り返りが行えるようになった』などなど。

中には『離職率が下がった』『業績が改善した』といったうれしい声もありますし、評価制度があることによって、スタッフの意識やモチベーションが向上したと話す経営者さんもいらっしゃいます」

2025年は新規事業を含めてさらなる拡大を目指す

本業に加えシステム屋としても事業を拡大するLeap-it。順風満帆に見えるが、「ニュートン」の開発や販売における苦労などはなかったのだろうか。

「開発でいえば、やればやるほどブラッシュアップしたくなるみたいな。悪いことではないと思いつつ、リリースは当初予定していた時期より後ろ倒しになってしまいました。またその後の運用も、もっと余裕をもってできるはずが、やればやるほど課題が見えてきたり、お客様からの要望も出てきたりと。いったんは解決していますが、アップデートに関しては今後も抱える悩みなのかなとは思いますね」

飲食業とシステム関連の事業はまったく別分野であるが、醍醐味はどんなところにあるのか。

「外食と共通していえるのは、やっぱりお客様の喜ぶ顔が見えることです。お店だったら『おいしかった』とか『また来るわ』という声は励みになりますし、『ニュートン』に関しては『こういうの待ってたんや』と言われると特にうれしいですね。あとは、提案や要望を具現化できたときも達成感があります」

2025年の目標は、同社が新規開発を進めている会計管理システム「ダ・ヴィンチ(davinci)」を正式リリースすること。加えて飲食店のほうも、新店をオープンしたいと意気込む亀岡氏。最後に読者へのメッセージも頂戴した。

「飲食店経営者様が抱えられている課題感や悩みは私自身が共感できますし、解決できる手段になると思います。そのために作った『ニュートン』でもありますので、もし気になる方は、ぜひお声がけください!」

【前編はこちら】

大山正

一般社団法人レストランテック協会

専務理事

1982年東京都生まれ。成蹊大学卒業後、各種広告関係営業、外食企業のプロモーション・広報を経て、2014年1月、31歳で外食メディア「フードスタジアム」フードスタジアム株式会社 代表取締役就任(2023年退任)。飲食店若手経営者の会「外食5G(現外食SX)」初代サポーター企業リーダー。2020年3月、株式会社ミライーツを設立。飲食業界における幅広い人脈、情報を持ち、「未来型飲食店経営」を提唱。自身でもゴーストレストランの実験店舗を運営し、中食・デリバリー導入による外食産業の生産性向上を提案している。

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