
2026.03.27
飲食業界の福利厚生が変わる? 株式会社Leafeaが目指す「従業員を支える新時代の仕組み」とは
国内飲食DXニュース近年、飲食業界では人手不足や物価高騰などの影響を受け、従業員の定着率向上やコスト削減が大きな課題となっています。そんな中、福利厚生を切り口に飲食店経営者と従業員の双方を支援しようとする動きが注目を集めています。今回、福利厚生サービスを提供するスタートアップ、株式会社Leafeaが、飲食店を含む中小企業向けの新しい福利厚生プラットフォームを提案しているとのことで、その取り組みについてお話を伺いました。

「日本の約4分の1にあたる人が、3か月働けないと貯蓄が尽きるという調査もあります。私たちは、そうした不安を抱え込む従業員の方々を、企業の福利厚生という仕組みを通じて支えたいと考えています」と、株式会社Leafeaの森田氏は語ります。
同社は、従業員がアプリを通じてクーポンや無料引換券を受け取れる独自の福利厚生サービスを開発。飲食店をはじめとする多様な業種・企業が導入しやすい料金設定も特長の一つです。飲食業界にどのようなメリットがあるのでしょうか。
福利厚生プラットフォームで「日常」を支える
株式会社Leafeaが提供する福利厚生プラットフォームは、割引クーポンやメッセージ付きギフトを組み合わせた新しい仕組みが強みです。同社が注力するのは、「従業員が毎月高い頻度で使ってもらえる福利厚生」だといいます。

「一般的な福利厚生サービスだと、年に数回使えば十分という印象があるかもしれません。しかし、私たちは『月間ログイン率70%』を目標に掲げ、実際に使い続けてもらえることを重視しています。飲食店の割引やコンビニの無料引換券など、日常のちょっとした場面で使えるラインナップを取り揃えることで、その目標に近づけています」と森田氏。
従来の福利厚生は、映画やレジャー施設など“特別なシーン”向けの割引が中心でした。Leafeaはこれに加えて、コンビニ、カフェ、居酒屋など“日常使い”できるサービスを含むことで、従業員が「いつでも使えるお得なサービス」として価値を実感しやすい点が特徴です。
飲食店経営者にもメリット
離職率低下と採用力アップ
飲食業界では、人手不足による採用コストの増加と、従業員の離職率の高さが大きな経営課題となっています。給与を上げようにも、企業側の負担が大きくなるため限界がありますが、福利厚生をうまく活用すれば“実質的な報酬アップ”を実感してもらえるといいます。
「給与を例えば500円アップしても、社会保険料や所得税などがかかり、従業員の手取りは思ったほど増えません。しかし、福利厚生なら非課税で提供でき、しかもギフトや割引によって毎月“おトク”を感じてもらえる。従業員満足度が上がることで、最終的には離職防止や採用力アップにもつながります」と森田氏は強調します。
同社のサービスは、従業員だけでなく二親等の家族まで無料で利用できるため、アルバイトを含むスタッフにとっても喜ばれやすいと言います。実際に導入した企業からは「家族にも使ってもらえるので、社内の満足度が非常に高い」といった声が寄せられているそうです。
「頑張りが報われる」新しい仕組み

さらにLeafeaでは、将来的にシフト管理データと連携して「頑張った人を報いる仕組み」を構想中とのこと。例えば、急なシフト交代や繁忙日に出勤してくれた従業員へ、自動でギフトを送るといった仕組みを実現すれば、店舗管理者が手間をかけずに従業員のモチベーションを保ちやすくなります。
「実際、『年末年始やクリスマスなどの繁忙期に出勤しても、報われた気がしない』という声を聞きます。シフト管理のAPI連携で、特定の条件を満たしたときに自動でギフトを配信できれば、“忙しいときに支えてくれるスタッフをしっかり労う”という文化づくりにも貢献できるのではないかと思います」と森田氏は語ります。
費用対効果と導入ハードル
同社の月額費用は1人あたり約500円。導入企業は、この費用を福利厚生費として計上でき、給与アップに比べてコストパフォーマンスを高められます。
また飲食店側が「自店舗のクーポンを掲載して宣伝したい」という場合も、掲載料や送客料は無料。個人経営の小規模店でも気軽に参加でき、集客につなげられる仕組みです。
「当社が目指すのは、より多くの飲食店で“社内の従業員を支える仕組み”を手軽に実現し、同時に飲食店への来店促進にもつながること。お互いにメリットを享受できる形で、業界全体を盛り上げたいと考えています」(森田氏)
成功事例:従業員エンゲージメントの向上
すでに複数の企業や団体で導入が進んでおり、飲食チェーンを含む約500社以上が利用を開始。従業員の月間アクティブ率が70%近くに達する事例もあり、「業務が忙しくてもアプリを立ち上げてちょっとしたクーポンや無料ギフトを使うのが楽しみになった」という声も上がっているといいます。
ある飲食店オーナーは「給与を上げるのには限度があるが、福利厚生だと手取り減の心配もなく、従業員に“お得感”をしっかり提供できるのが大きい。特に若いスタッフが喜んで利用してくれている」と、その効果を評価しています。
今後の展望:個人店の掲載拡大とSaaS連携
今後は、さらなるサービス拡充を目指し、個人経営の飲食店へのクーポン掲載を進めるとともに、さまざまなSaaS企業や金融機関とのOEM連携にも注力する方針です。「たとえば、勤怠管理や経費精算ツールと組み合わせれば、使いにくいと敬遠されがちな業務をスムーズに完了させるインセンティブにもなる。従業員同士で声を掛け合いながら勤怠を締め、締め忘れがなくなれば、経営者にもメリットがあります」と森田氏。
こうした広がりによって、飲食業界のようにスタッフの入れ替わりが多い領域でも、従業員を長く大切にする企業文化をつくることができるのではないかと同社は期待を寄せています。
飲食店経営者へのメッセージ
最後に、森田氏は飲食店経営者に向けて次のように呼びかけました。
「雇用環境が厳しくなる今後は、従業員が“会社に大切にされている”と実感できる仕組みづくりが不可欠です。福利厚生ならば企業・店舗側のコスト負担を抑えながら、従業員の満足度を上げることができます。私たちのプラットフォームをきっかけに、『働いてよかった』『ここで続けたい』と思ってもらえる環境を一緒に作っていきましょう。」
飲食店経営において、従業員満足度を高めることは結果として生産性や売上にもつながります。株式会社Leafeaの取り組みは、デジタルと福利厚生を組み合わせることで、飲食業界の人手不足や従業員の経済的不安を解消し、新たな活路を開く可能性を秘めているといえるでしょう。
会社概要
株式会社Leafea
設立:2022年7月20日
本社住所:東京都港区新橋2-5-2
事務所:東京都中央区八重洲1-5-20 東京建物八重洲さくら通りビル3F
メール:info@leafea.co.jp
※電話受付時間:平日10:00~18:00(12:00~13:00を除く)
電話がつながらない場合、お手数ですがメールでのご連絡をお願いいたします。
(この記事は、株式会社Leafea 森田氏へのインタビュー、および同社の資料をもとに作成しました。)

山澤修平
一般社団法人レストランテック協会
代表理事
1980年北海道生まれ。携帯電話販社大手「コネクシオ株式会社」にて、営業戦略など様々な業務に携わり、その後、農業ITベンチャー「株式会社ファームノートでCSMの構築、営業拠点の立ち上げを行う。現在は日本最大のレストランテックコミュニティ「RT_Meetup」を主催する一般社団法人レストランテック協会の代表理事、一般社団法人日本飲食業経営審議会の理事、数多くのテックベンダーのセールスマーケティングの顧問業などに従事。全国各地の飲食経営者と生産者とテクノロジー企業をつなげる為、ホテル暮らし中心のアドレスホッパー生活を送っている。著書 同文舘出版「これからの飲食店DXの教科書」(2022年)










































