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2023.11.08

【酒井慎平】居酒屋甲子園から学ぶ、飲食業における「ありがとう」の価値

酒井慎平の物申す!!

 こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。昨日、NPO法人居酒屋甲子園が主催する「第16回居酒屋甲子園 全国大会」が10月31日にパシフィコ横浜で開催されました。私は、これまで10年近く元記者の目線から居酒屋甲子園を観てきましたが、今年からアドバイザー理事として運営に携わるようになってたくさん気づく事がありました。

 「居酒屋甲子園」とは、“居酒屋から日本を、世界を元気にする”という想いを持つ全国の同志により開催された、外食業界で働く人がより誇りを持ち、学びを共有できる場を提供する大会です。

 全国からエントリーされた居酒屋のうち、独自の選考基準で選ばれた優秀店舗(5店舗)が、年一回、約5000人が来場する全国大会に集結します。ステージ上で自店の取組みや想いを発表し、居酒屋甲子園における日本一の店舗を決定。外食業界で働いている人が志と誇りを持てる大会にすることを目指しています。

 全国大会で登壇した優秀店長2名、檀上店舗5店舗のプレゼンは圧巻でした。自分でも信じられないほど涙が止まりませんでした。

 しかしながら、これを「感動的なプレゼンだった」と単に映画を観るような感想を抱いて帰るのではあまりにも勿体無いです。今回は、私なりに全国大会の学びと気づきを読者の皆さんと共有していこうと思います。

 いやはや、本当に自分でも信じられないほど大量の涙が溢れてきて、自分で自分に驚きました。なぜ居酒屋甲子園のプレゼンは、これほどまでに他人の心を揺さぶる力があるのでしょうか。プレゼンの採点基準は「学び」と「気づき」ですが、それだけではこの感動を生み出すことは難しいはずです。

少し思い返してみると、どの店舗も共通して心が震える言葉がある事に気づきました。

「ありがとう」です。

 優秀店長と檀上店舗は、プレゼンの最後に「ありがとうございました」と言います。それは一見内容とは関係ない形式的な言葉のように思えますが、それぞれのプレゼンに込めた思いを集約して最後「ありがとう」にすべての思いが詰まっているように思えました。

 どの飲食店も志高くお店をオープンさせますが、苦しい時期が必ずあります。どの檀上店舗もその苦しい時期に支えてくれた仲間や家族、お客様に感謝を伝えるプレゼンでした。今回、檀上に上がった1人1人から「ありがとう」という本気の思いを感じて自然と涙が溢れたのでした。

 大会後に居ても立っても居られず、私が尊敬する先輩経営者の髙木隆二(同会 専務理事)に「ありがとう」の意味を尋ねました。髙木氏は、企業理念に「愛とありがとう」を掲げて、過去、居酒屋甲子園2連覇を果たしたレジェンドです。そんな髙木氏は下記のように返答してくださいました。

~~~~~~~~~~~~

 母のお腹の中というのは。愛の空間であり、その母のお腹をまた大切に大切に周りの人達が愛を持って見守ってる。

 生まれてくることが当たり前ではなく、母が命と引き換えに産んでくれたことに、まず『ありがとう』という感謝の念が湧いてきます。

 人間は皆、愚かな不完全な生き物だと思います。

 ついつい自分勝手で自分のことしか考えられない、自分さえ良ければと思う時がどうしてもある。

 だからその愚かな自分に対して、常に『愛とありがとう』を忘れない生き方をする事で、人に優しくできる。

 大切な人を大切に思うことができる。

自分は1人で生まれて生きてきたんじゃない。沢山の愛を受け、沢山の助けや支えを受けて今ここにこうして生かされている。

そう感じることができるのではないかと思います。

俺はできる!私はできる!と自己肯定感を高く持って生きることはもちろん大切なことです!

しかし俺が俺がとなると、我が出過ぎてしまい、周りを、相手を批判して見下した生き方をしてしまう。

だから俺が俺がの我ではなく下お陰お陰のげで生きる。

下とは身分が下(した)という意味ではなく、いつも自分は周りに助けてもらって生きてる。

周りに居てくれる人達は当たり前じゃない。

常にありがとうの気持ちを持ち、

志は高く、頭は低く生きる事で、

良い人生を生きれると思っています。


ありがとうの反対は⇔当たり前


人間は愚かな生き物なので、

ついつい全ての事が当たり前に感じてしまう。

住む家がある事

今日朝元気に目が覚めた事

働く職場がある事

仲間が元気に出勤してくれた事

業者様や生産者の方から食材が無事に届いた事

お客様が来てくださる事

ご飯が食べれた事

電気がついて、電車が動き、体調が悪くなれば仕事を休んでも代わりに働いてくれる仲間が居て、病院に行けば保険対応で安く診療してもらい、薬を飲んで元気になれた。

全部当たり前じゃない。

なのになぜかついつい当たり前に感じてしまう。

僕は小学6年生の時に父を亡くしましたが、結局面と向かってありがとうを伝えることはできませんでした。

4歳の息子が亡くなるとは思っていなかった。

当たり前に大きく育って、一緒に酒が飲めるのだろうと思ってました。

全て当たり前と思ってたから、毎日ありがとうを伝えなかったんだと思います。

人生後悔の連続でした。

だから、ありがとうって感謝をして生きてる人が、周りから『当たり前の存在』ではなく『あの人が居てくれて良かった』って感謝される生き方になるのではないかと思うのです。

自分が生まれてきたことは、沢山の愛の結晶体であり、生まれてきた時にかけられた言葉は、『生まれてきてくれてありがとう』のはず。

だから自分が人生を終えるときには、

『今まで本当にありがとう』

と言われてみんなから感謝されて死んでいきたい。

そんな理想とする人にはまだまだですが、そんな理想とする生き方がしたいと、常に自分を律しながら生きていきたいと思います。

出会ってくださった皆様のお蔭で今の自分が居れる事に心から感謝できたら、自然に笑顔となり、心穏やかに生きれるのではないかなと。

穏やかだけど、心には熱くあたたかい螢のような光を灯し、人の心にその光を灯せる人になりたいです。

私、髙木隆二は飲食業を子供達の夢になる志事にするために、

愛とありがとうを伝え、大切な人の心に螢のような光を灯します!

これが僕の生まれてきた意味であり、これからの生きる目的です!

質問の答えになったかは分かりませんが、僕が思うありがとうです!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

髙木隆二さん、本当に有難うございます。
勝手にメッセージを貼り付けて申し訳ございません。笑

 「ありがとう」の形は人それぞれです。そして「ありがとう」は伝播します。だから人は感動し心揺さぶれるだと思います。今回を通して、飲食店の「ありがとう」に込められた思いこそサービス業の本質だと実感する機会となりました。

「ありがとう」は当たり前じゃない。
どんな価値を付与するかは、あなた次第です。

居酒屋甲子園HP

酒井慎平

一般社団法人レストランテック協会

専務理事

20代で外食業界誌の編集長、外食産業記者会の代表幹事を務めた後に29歳で独立。長野県長野市で製造する長期熟成生ハム「掬月 Jamon KIKUZUKI」のブランドオーナー。外食業界に特化した広告代理業を軸に食の価値創造に取り組む。株式会社SATOKA 代表取締役。一般社団法人レストランテック協会 専務理事。NPO法人居酒屋甲子園 アドバイザー理事。一般社団法人これからの時代の飲食店マネジメント協会 プロコンサルタント。

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