
2023.08.04
新時代はトレンドより人。居酒屋甲子園の魅力。
酒井慎平の物申す!!「いや~暑いですね」が挨拶代りになっている皆さん、こんにちは。今回で10回目のコラムになりました。最近は、誰に会ってもこの言葉で会話が始まる気がします。暑い暑い。もうすっかり酷暑を憂う言葉すら夏の風物詩になりつつあります。
じつは、今年からNPO法人居酒屋甲子園の理事として活動しています。私は、飲食店を運営している訳ではないし、これまで殆ど直接的な接点が無かったのですが、昨年度の山崎聡体制から、当事者の思いに触れた事で触発され、氏田現理事長に「一緒に居酒屋業界を盛り上げたい!!」とお願いをして加えてもらいました。
昨年は、居酒屋の倒産件数が過去最多だったように、さまざまな環境変化によって居酒屋業界は変革期にある今、こうして業界をリードする団体に加わり当事者として何かできないかと挑戦する日々です。
先週までは、各エリアで地区大会が開催され、私も北陸甲信越地区大会に運営として参加してきました。正直、全国大会には無い独特の臨場感に心が震えました。小さな会場だからこそ、目の前の発表者たちの緊張や息遣いまで聞こえてきそうな様子に、こちらまで息を呑みながら観て一緒に涙するのです。
また、今回は運営側としてリハーサルから観ていて、壇上から伝わる得体のしれないエネルギーに胸が打たれました。今回は、この得体の知れないエネルギーについて考察していきます。
まずはNPO法人居酒屋甲子園の目的を確認します。
HPには下記のように説明してあります。
理念「共に学び、共に成長し、共に勝つ」
目的「居酒屋から日本を、世界を元気にする」
「居酒屋甲子園」とは、“居酒屋から日本を、世界を元気にする”という想いを持つ全国の同志により開催された、外食業界に働く人がより誇りを持ち、学びを共有できる場を提供する大会です。
全国からエントリーされた居酒屋のうち、独自の選考基準で選ばれた優秀店舗(5店舗)が、年一回、約5000人が来場する全国大会に集結します。ステージ上で自店の取組みや想いを発表し、居酒屋甲子園における日本一の店舗を決定。外食業界で働いている人が志と誇りを持てる大会にすることを目指しています。
居酒屋甲子園では、「誇り」「学び」「志」が重要なキーワードで、檀上では各店舗が思考を凝らしてこれらを要素に加えて発表していきます。
「学び」の要素については成果発表のような内容になりますが、「誇り」「志」は定量的な数値で示すのは難しく個々の内に秘めた心情を開け放ち全力で伝えていきます。
この「誇り」「志」の要素は、普段の生活であまり触れることがないため圧倒されたのかもしれません。ただ、それだけではなく、ただの傍観者だった頃の自分と今回当事者として観た発表では、まるで違うエネルギーを感じました。
そもそも居酒屋甲子園は、業界の発展を目的にしているため、観客への見世物ではなく、知識や業績を自慢する場でもありません。つまりは、当事者同士が切磋琢磨し、無骨なまでに仕事に掛ける思いを解放することで「誇り」と「志」を周囲に伝播させているのです。
『智(理)に働けば角が立つ 情に棹させば流される 意地を通せば窮屈だ 兎角に人の世は住みにくい』夏目漱石「草枕」
名著の冒頭にあるように、智(理)と情、そのバランスをとることは難しいことです。ましてや、他人に本気の情を見せるのは相当な覚悟が要ります。
きっと過去の私のように、上辺だけを見て勘違いする第3者もいるでしょう。しかし今、飲食業に本当に必要なのは、表面的な流行りや形式だけではなく、そこで働く「人の思い」なのだと分からせてくれる一時でした。
どの世界にも傍観者や評論家には伝わらない、当事者同士の勝負があります。今、自分がどの世界に生きていてどんな勝負を行っているか。人の本気に触れることで自分自身を見つめ直す機会にもなります。
今期の活動方針として「共に生きる」。
いい言葉です。
全国大会で各地区で勝ち上がった代表店舗の発表が楽しみです。



































