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2024.07.26

ウォルマートに登場したADAM:AIバリスタロボットがもたらす利便性とサービスの二極化

海外飲食DXニュース

飲み物を提供するだけならロボットで十分ですが、それ以上の満足度を求めるなら人による接客サービスが必要です。

2024年7月22日、AI駆動型サービスロボットのプロバイダー「Richtech Robotics(リッチテック・ロボティクス)」は、アメリカ南部ジョージア州のウォルマート内で営業しているテナントにバリスタロボット「ADAM(アダム)」を導入したことを発表しました。

ADAMを導入したのは、ファストフードを提供する「Ghost Kitchens(ゴースト・キッチンズ)」社です。

発表の時点で、ADAMは30日ほど営業しており、コーヒーなどのドリンクを提供しています。

また、ドリンクメーカーとしての機能だけでなく、簡単な接客対応の機能も備えています。

ADAMのようなロボットが普及すると、フードサービスの二極化が加速していき、店の在り方を明確にしなければいけなくなるでしょう。

バーチャルキッチンでサービス規模拡大中のGhost Kitchens

バーチャルキッチンでサービス規模拡大中のGhost Kitchens

画像引用:Richtech Robotics Inc.

ADAMを導入したGhost Kitchens社は、カナダ全土でバーチャルキッチンを運営し、食事や飲料の持ち帰り、宅配サービスを展開している企業です。

2021年にウォルマート・カナダと提携し、店内でフードサービスを提供しています。

Ghost Kitchens社は、主にファストフードを提供するQSR(クイックサービスレストラン)であるため、効率的なドリンクサービスは好評を得やすいでしょう。

ADAMは、コーヒー以外にもカクテルや6種類の特製ドリンクを作ることが可能です。

ベストセラーは、アイス・フォーミー・ヘーゼルナッツ・ラテであり、ADAMが参加してきたイベントでも人気のメニューになっています。

2024年現在、ロボットによるドリンクサービスはまだ珍しいため、その斬新さから一定の集客も期待できるでしょう。

Ghost Kitchens社は、2024年にアメリカで240店舗以上をオープンする計画を立てており、他の店舗でもADAMの導入が広がる可能性があります。

効率的なドリンクサービスを提供するAIサービスロボット「ADAM」

効率的なドリンクサービスを提供するAIサービスロボット「ADAM」

画像引用:Richtech Robotics Inc.

Richtech Robotics社が開発したAIサービスロボット「ADAM」は、複数の機能を持つ全自動のドリンクメーカーです。

そのため、バリスタロボット、バーテンダーロボット、ロボット飲料システムと呼ばれることがあります。

ADAMは飲み物を作るだけでなく、顧客との会話や人間の行動の模倣もできる機能を備えています。

つまり、単なるドリンクメーカーの役割を超えて、簡単な接客サービスを提供し、顧客を楽しませることも可能です。

前述のとおり、Ghost KitchensはQSRであるため、サービスの質よりも利便性が重要視されます。

そのため、提供されるのが簡素な接客サービスであっても、相手がドリンクメーカーのロボットであることを考慮すれば、十分満足する顧客も多いでしょう。

ロボットで二極化する飲食店

ロボットで二極化する飲食店

ADAMのようなロボットが普及すると、カフェやバーなど飲み物を提供する飲食店は二極化が進み、自店の位置づけを明確に選ばないといけなくなります。

つまり、顧客に利便性を提供するのか、定量化しにくい接客サービスを中心にして顧客満足度を高めるのかを選ばないと、中途半端な店になってしまう可能性が高くなるでしょう。

これから利便性や手軽さを重視する店では、ロボット化やシステム化が進み、人手が少なくなっていきます。

理由は、レシピに従っておいしいドリンクを作るだけなら、ロボットで事足りる時代になるからです。

グローブ・ライフ・フィールド・スタジアムにADAM導入

画像引用:Richtech Robotics Inc.

Richtech Robotics社は、今回のプレスリリースの翌日23日に、プロ野球チーム「テキサス・レンジャーズ」の本拠地であるグローブ・ライフ・フィールド・スタジアムにADAM導入を発表しました。

つまり、スタジアムのような短時間で大量の飲み物を提供する場所でのドリンクサービスがロボット化され始めたということです。

もちろん、便利さだけが顧客満足度を高める方法ではありません。

居心地の良さや、新しい知識を得る喜び、会話を楽しむことなど異なる要素で顧客満足度を高めることが可能です。

例えば、バリスタの仕事は、コーヒーに関する知識やエスプレッソを抽出する技術だけでなく、接客サービスも含めて成り立っています。

バリスタは接客サービスも含めている

コーヒーの歴史や豆の産地、焙煎方法などを楽しさを交えて顧客に伝えることで、顧客満足度を高めることができます。

そのため、コーヒーを飲んで満足するだけでなく、顧客が楽しみ、喜びを感じる時間を提供することが今以上に大切になります。

特に、スタッフによる接客サービスで顧客満足度を高める店では、好かれることが最重要課題となるでしょう。

ウォルマートでAIサービスロボット「ADAM」がドリンクを提供

ウォルマートでAIサービスロボット「ADAM」がドリンクを提供

7月22日、Richtech Roboticsは、アメリカジョージア州のウォルマート内に展開しているGhost Kitchensにサービスロボット「ADAM」を導入したと発表しました。

すでに営業を開始しており、ウォルマート内のGhost Kitchensで、ADAMがコーヒーなどのドリンクサービスを提供しています。

ADAMのようなロボットが普及すれば、利便性を重視するQSR(クイックサービスレストラン)と、対面での接客サービスに重点を置く飲食店に二極化していくと考えられます。

そこで、接客サービスを重視する飲食店は、業務効率の改善だけでなく顧客満足度も高めるDXを促進する必要があるでしょう。

また、今以上に人にしかできない質の高い接客サービスや、個性的な演出が重要になってくるはずです。

参考サイト

ADAM Serves Happiness at Ghost Kitchens in Walmart in Georgia

Meet ADAM: The First Humanoid Bartender at MLB Stadium

前田淳一郎

グラフィック制作カタパルト

代表

1983年岐阜県生まれ。プログラマー、整備士、物流と転職し、日本橋で寿司職人の世界に入り、立ち食い寿司屋の店長になる。原価の高いをいわれる寿司で、原価調整と材料管理を徹底し、原価を平均25~30%に抑える。その後カナダで移民に挑戦し、現地の海上コンテナのフォワーダー企業に勤める。帰国後に外資系に勤務。
2020年より、Webライターをしながら世界の新しい「食の常識」を発信中。

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