
2024.01.15
Richtech RoboticsのバーテンダーロボットADAMが創る未来の飲食サービス
海外飲食DXニュース「ロボット化が進むと人の仕事を奪う」と言われたりしますが、飲食業界においては、顧客の多様なニーズに応えられるようになるでしょう。
2024年1月9日、ネバダ州を本拠にするRichtech Robotics(リッチテック・ロボティクス)は、バーテンダーロボット「ADAM(アダム)」の進歩したAI機能を発表しました。
この発表は、ラスベガスで開催された最新テクノロジーのイベント「CES 2024(コンシューマー・エレクトロニクス・アソシエーション)」で披露されました。
発表されたAI機能により、ADAMは飲み物を作るだけでなく、顧客との会話に参加したり、人間の行動をマネしたりができるようになると説明されています。
つまり、単なるドリンクメーカーとしての役割を超えて、簡単な接客サービスもこなせるようになったといえるでしょう。
リアクションやコメントをしてくれるなら、ロボットの提供する簡単な接客サービスでも良いと感じる人は意外に多いかもしれません。
顧客ニーズも予測可能なバーテンダーロボットADAM

画像引用:Richtech Robotics Unveils AI Capabilities for ADAM at CES 2024
発表されたAI機能は、バーテンダーロボット「ADAM」と顧客の間に魅力的でより自然な対話を生み出すことが目的です。
新しいAI機能によってADAMは、人間の動作を分析、顧客のニーズを正確に予測できるようになるといわれています。
さらに、回数を重ねることで精度を高めることもできると説明されています。
開発元であるRichtech Roboticsは2023年11月にIPOを完了し、配膳ロボット「Matradee X(マトラディー・エックス)」をレストランチェーンであるIHOP(アイホップ)に導入した実績もあります。
そのため、今後はバーやイベント会場にADAMの導入が広がる可能性が高いです。
とはいうものの、ADAMのようなロボットで飲料作成の自動化はできますが、人間の労働者が持つスキルに置き換えることはできません。
したがって、ADAMは飲食店で働く人を補完するのが役割と言えるでしょう。
2本のアームで飲み物を作るRichtech RoboticsのADAMの性能

高度なAIによってADAMは、単なる調理ロボットの枠を超える機能が追加されましたが、それでも本質は正確に飲み物を作成するドリンクメーカーです。
そのため、ADAMのコアとなる機能は、注文された飲み物を正確に作成することであるといえるでしょう。
Richtech Roboticsのホームページでは、ADAMは高い精度(±0.1mm以内)でいつでも決められた状態で飲み物を作れると謳っています。
当然、分量を入れ過ぎたり、飲み物を注ぎ過ぎたりということは起きません。
また、ADAMはアルコール飲料やホットコーヒーだけでなく、オリジナルメニューの提供も可能です。
注文の仕方はタッチスクリーンで飲み物を選ぶと、ADAMが起動して顧客の選んだ注文を作成します。
ADAM は画期的な性能を有してはいますが、接客サービスのあらゆる面をカバーして完全無人化を勧めるためのロボットではありません。
確かに、飲み物や簡単な食べ物の調理や準備など反復的な作業には優れています。
しかし、質の高い接客サービスには、スタッフの人間味や専門知識、バーテンダーやバリスタが持つ繊細な対人スキルや創造性が欠かせません。
レストランテックの発達で顧客一人ひとりに向き合う仕事が増える

これからは、ロボットの長所と人間のスタッフの長所をかけ合わせてフードサービスが提供される時代になるでしょう。
例えば、自動車の生産工場のように、ロボットで作業する部分と人が担当する部分が明確に分かれていくはずです。
特に、注文された飲み物や食事を一定時間内に調理するという作業は、反復的であるためロボットのほうが得意です。
代わりに、従業員はより複雑でパーソナライズされた顧客とのやり取りに集中して、サービスの質の追求が重要になっていくのではないでしょうか。
ロボットにムードは作れません。理由は人が快適に感じる感覚がそれぞれ違うからです。
洋服店でも店員に付いてもらいたい人と、自分一人で気に入った服を探したい人がいます。
お酒やコーヒーを飲む場合でも同様です。
すぐに声がかけられる距離に店員がいてほしい人もいれば、周りに誰もいないほうが良い人もいるでしょう。
また、労働者不足が顕著になりつつある業界では、以前のように安い給料で人を大量に雇って、雑用を任せるというスタイルは維持できません。
実際に、ADAMのようなロボットにルーティン(教えれば誰でもできる)作業をさせるほうが辞めるかもしれないスタッフを教育するより効率的です。
それよりも、ロボットを活用することで、スタッフが接客サービスに時間を充てて、顧客満足度を高めることに集中する環境ができます。
接客サービスに集中できる時間が増えれば、以前は「達人」と呼ばれるような人しかできなかったサービスを一般のスタッフが提供可能になるかもしれません。
以上のように、機械と人間の協働によって、取りこぼしていたニーズや上質な接客サービスが実現できるようになるでしょう。
飲食DXでロボットとスタッフの分業化が進む

1月9日、Richtech Robotics(リッチテック・ロボティクス)は、バーテンダーロボット「ADAM」に組み込まれた高度なAI機能を発表しました。
この新しいAI機能により、ADAMは顧客との対話や人間の行動の模倣が可能になります。
ただし、ADAMはスタッフの代替ではなく、労働力の追加です。
パーティ会場やイベント会場で飲み物を提供する役割はルーティン作業であり、自動化が可能でロボットに任せるのに適しています。
しかし、会場の雰囲気を良くしたり、盛り上げたりという仕事は人にしかできません。
テクノロジーが進化し続けるにつれて、サービス業におけるロボットと人間の共存が新たな標準となり、両方の長所を活かして演出するのがこれからの飲食店ではないでしょうか。
原文
Richtech Robotics Unveils AI Capabilities for ADAM at CES 2024
参考サイト
Richtech Robotics Redefines the Bar Experience With Cutting-edge AI for Robot Bartender at CES 2024












































