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2023.09.15

【酒井慎平】新たな楔を打ち付けろ!変革期に新たな食の価値を示せ。

海外飲食DXニュース

 こんにちは。じつは、このコラムを書き始めてから、少しずつ読者の方から共感の声をいただくようになってきました。私としては、普段は言葉にしない思いをまとめているだけなのですが、覚悟を決めて発した言葉が顔も知らない読者に届いて共感を生み同志のような存在になれるなんて不思議な気持ちになります。

 一方で「出る杭は打たれる」という言葉がありますが、何か行動に起こすと少なからず反対意見も湧いてきます。ある程度は仕方のないし私は全く気にならないのですが、今の世間の雰囲気はリスクを回避する傾向が強く、どこか目立った行動を起こしにくい空気が流れています。

 しかし、時代はパラダイムシフトを迎えています。パラダイムシフトとは、その時代に当然と考えられていた物の見方や考え方が劇的に変化することを指しますが、そこから派生して 「定説をくつがえす」「ステレオタイプを捨てる」「革新的なアイデアによって時代を変える」 というように、今では広い意味で使われています。

 たとえばビジネスにおいてパラダイムシフトに対応するということは、これまでのアプローチをアップデートしていくことともいえます。

 例えば、「オフィスをなくして完全リモートワークに切り替える」「買い切り型だけでなくサブスクリプションモデルを導入する」などです。このように既存の社会システムが劇的に変化したことで、新たなビジネスチャンスが生まれるだけでなく、一人一人の生活そのものも変化しています。

 人の価値観も大きく変化しています。特に地方の田舎は、単なる生産地としての位置づけではなく、インターネットが普及した事によってオンライン販売が容易になり、全国から注文が殺到するような商品が次々と生まれるようになりました。また、SNSで個人がプロモーション活動を行えるようになり、全国から消費者を呼び込みより個性的なショップ運営やイベント開催が容易になりました。これらの事も、社会システムが劇的に変化した事で起きたパラダイムシフトといえるでしょう。

 少し話は変わりますが、最近になってインタープレナーという言葉をよく耳にするようになりました。Interpreneur= 「社会起点で越境しながら働く人=越境人材」を意味する言葉です。 組織や所属の枠を越えてオープンかつフラットに対話し、共創しながら価値創造ができる個人のことを指します。時代の変革期にある今、こうした越境人材が今時代に求められています。

 そして飲食業界は、新型コロナウイルスの打撃を受けた経験から、既存の産業構造の弱点が顕在化したことで改善を図るとともに、これからの食の未来を考え直すタイミングを迎えており、既存のルール・制度・組織・所属の粋を超えた新たな方向性を定めなくてはいけなくなっています。個人店やベンチャー企業に限らず、大手企業も次々と新たなアクションを起こしています。また、飲食業の枠を超えて生産や加工など他産業とも積極的に関わることで、新たな価値創出に取り組むケースも増えています。

 そもそも食は、自分が自分であること、さらにはそうした自分が他者や社会から認められるために必要となる重要な要素です。それぞれの価値観が劇的に変化している今、今までの固定概念に捕らわれずに、新たな食の価値を示していきましょう。

酒井慎平

一般社団法人レストランテック協会

専務理事

20代で外食業界誌の編集長、外食産業記者会の代表幹事を務めた後に29歳で独立。長野県長野市で製造する長期熟成生ハム「掬月 Jamon KIKUZUKI」のブランドオーナー。外食業界に特化した広告代理業を軸に食の価値創造に取り組む。株式会社SATOKA 代表取締役。一般社団法人レストランテック協会 専務理事。NPO法人居酒屋甲子園 アドバイザー理事。一般社団法人これからの時代の飲食店マネジメント協会 プロコンサルタント。

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