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2023.09.01

【酒井慎平】トレンドというドーピング。自身のエッセンスを磨け。

酒井慎平の物申す!!

 こんにちは。夏休みシーズンは映画商戦が盛り上がります。特に今年は、スタジオジブリ「君たちはどう生きるか」が話題になりましたが、皆さんは観に行きましたか。あえて広告を一切かけずに公開したことで、ストーリーや登場人物、声優などがあらゆる要素が分からないことで、むしろ大きな話題を呼びました。私は結局観られず終いですが、きっとジブリ好きにとっては特別な体験になったはずです。

 外食業界にも広告を一切使わずに大ヒットしている飲食店は数多くあります。これも映画と同様で、お店に訪れてみないと内容が分からないので興味がわきます。ただし、一度お店を訪れた事がある人の口コミが広がり全国から予約が殺到する人気店が生まれていきます。

 特に最近は地方にその傾向が強く表れています。「maison owl (メゾン・アウル)」は、2021年夏に山口県宇部市のオープンし、奇抜な建築デザインと先鋭的なフレンチ料理が提供し、今では予約が取れないほどの世界のフーディーから注目を集める店舗になりました。ホテル旅館業を営む株式会社温故知新が運営元で、空間デザインを徹底的にこだわり抜いたことで唯一無二の食体験を提供しています。

 福岡県北九州市にある「照寿司(てるずし)」も同様で、3代目の渡邉貴義氏が大将なってから、地元のこだわりの食材を使用した独創性あふれる寿司の数々を提供し始めてから大ヒットしています。

 北九州市戸畑というマイナーな場所にありながら、独自の進化を遂げ続けているため、国内のみならず世界中から予約が殺到しています。独自のパフォーマンスが話題を呼び、今や自身のSNSによるフォロワーは13万人を超えています。

 私が拠点を置く長野県長野市も、全国的には無名ながら実力のある飲食店が数多く存在します。ただ、地方では限られた商圏で商売が営まれることもあり、全国的な知名度は必要ではなく、むしろ顔の知れた常連客が離れないように一時的な流行によって雰囲気が変化してしまうことを嫌います。

 しかし現在では、SNSや動画投稿メディアが普及したことによって、自身でお店の魅力を発信できるようになったため、今までより広い商圏から顧客を獲得することができるようになりました。

 一昔前のトレンドは、TVや雑誌などのマスメディアが取り上げたことで一時的に注目される現象であり、メディアが取材しやすい都会で生れやすい特性がありました。

 しかし先ほど述べた通り、メディアは個々人が操る時代に突入した事で、一時的な流行は生まれにくくなるだけでなく、それまで見過ごされてきた細かなニーズが顕在化するようになりました。

 今までは、写真映えするメニューや初上陸のお店などといったパッと一目観て理解できるコンテンツがトレンドになりやすかったですが、今は一見地味なコンテンツであっても長期的なヒットとなっているケースが増えてます。

 今どき“トレンド”“ヒット業態”とかいう時代遅れの外食マーケターに耳を貸すよりも、自身の可能性を最大化しお客様に必要とされるコンテンツを生み出していきましょう。

酒井慎平

一般社団法人レストランテック協会

専務理事

20代で外食業界誌の編集長、外食産業記者会の代表幹事を務めた後に29歳で独立。長野県長野市で製造する長期熟成生ハム「掬月 Jamon KIKUZUKI」のブランドオーナー。外食業界に特化した広告代理業を軸に食の価値創造に取り組む。株式会社SATOKA 代表取締役。一般社団法人レストランテック協会 専務理事。NPO法人居酒屋甲子園 アドバイザー理事。一般社団法人これからの時代の飲食店マネジメント協会 プロコンサルタント。

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