
2024.02.13
【前編】エクセルの手作業で行っていた飲食企業の売上管理分析を全自動化し標準化する
飲食DXリーダーズ飲食企業向けの売上管理分析ツールに「TEAL-BI」というものがある。これは株式会社ラックバックグループ(本社/東京都港区、代表/斉田教継)が開発し、管理・運営を行っているものだ。

店舗の売上、仕入、勤怠データは、店舗と本部が集計、帳票を作成し、全社共有しているが、エクセルを使った手作業が多く残っている。これに対して「TEAL BI」では、これらPOSシステム、仕入、勤怠システムのデータを全自動で自動的に取得し、業界で必要とされるほとんどのKPI管理項目を表示した状態で全社でオンラインで共有化できるようにしている。前者の「手作業」がなくなる分、ドラスチックに効率化できる、というものだ。
「TEAL BI」のサービスがスタートしたのは2020年10月のこと。近年、これを導入する企業が増えてきている。そして、これらの中では概ね10店舗以上と多店舗を展開している飲食企業が「TEAL BI」の効果を十二分に享受しているという。それは、同じ会社の店舗間でデータを比較することで、その違いや変化の意味を読み取ることが出来るからだ。
ここで「TEAL BI」が誕生した狙いと、効果についてまとめておきたい。
飲食業で働く若者を育てていきたい

※ラッグバッググループは、二等立地で目的来店のレストラン運営を得意とする。画像は「GINGER’S BEACH OHMIYA」
ラックバックグループの代表、斉田教継氏が飲食業に参入したのは2007年のこと。社会人歴は1996年からで、産業機械メーカーの営業でインド全土を一人で市場開拓。ドイツの産業機械商社でヨーロッパのメーカーの発掘や日本国内の市場を開拓。生命保険会社で営業、という具合に多彩であり、営業の最前線を歩んできた。
斉田氏が、飲食業に参入したきっかけは、常連客として親しんでいた飲食店で、同店の店長として活躍する人物と出会ったことである。東京・渋谷、青山学院の近くにあった古民家を活用したカフェで、その店長はオペレーションのコントロールから、部下の育成など店舗マネジメントのあらゆることに秀でていた。
斉田氏はプロフィールの通りにチャレンジ精神が旺盛である。そこで、この店長と一緒に飲食のビジネスに取り組めば、お互いの能力を補完し合って、大きなチャンスをつかむことができるのではないかと考えた。こうして、この店長、河本賢二氏と共同で飲食の会社、株式会社ラックバッググループを2007年3月に立ち上げた。同社は、河本氏が得意とするテーブルサービスのレストランを展開していくようになった。現在は主にハワイアンコンセプトのレストランを中心に9店舗擁している。
営業を進めていくに連れて、飲食業界のプロパーではない斉田氏にとって「飲食業界の常識」といったものに対して大きな違和感を抱くようになった。それは「長時間労働」「休日が少ない」「賃金が低い」ということ。周りの同業者を見ても同じような状況であった。さらに、日本の飲食業は参入障壁が低く競争が激しいことで多産多死の状況。社員やアルバイトの入退社が激しい。
斉田氏が飲食業を経営し、現場を見て感じていたことは「飲食業に入ってくる若者は、ほかの産業と比べても明らかに、この仕事が大好き、お客様の笑顔が大好き、接客がしたい、料理をつくりたい、といった『純粋なモチベーション』で入ってくる人が多い」ということだった。このような彼らの夢が途絶えることなく、優秀な人材に育てていきたいと考えるようになった。
データの「全自動取得」と「標準化」を目指す
斉田氏は、飲食業が生産性を落としている要因として、管理会計業務に問題があることに着眼した。それは、POSレジデータをはじめとした、仕入データ、勤怠データ、インスタグラム、Googleビジネスプロフィールに至るまで、社内共有のためのエクセル作業が多く残っており、「人海戦術」でこなしているという現実があった。

これらのデジタル化されたデータを全部自動で取り込むことは理論上可能であることは分かっていたが、それを実現できるツールがなく、ほとんどの飲食企業はあきらめていた観があった。
さらに、「人海戦術」以外にも「各社でオリジナルを開発」をせざるを得ないという状況があった。斉田氏は、それを解決するために、「データを全自動で取得する」ことと「業界標準化した管理会計ツール」に落とし込む仕組みをつくり上げていった。
斉田氏は比喩的にこう述べる。
「優秀な市販車を300万円で購入することができるのに、こだわりを詰め込んだオリジナルのクルマを、数千万かけて一から開発しているようなもの。このようなクルマは簡単にはアップグレードができない。しかし一方の、標準化されている市販車は年々最先端のものにアップグレードされている」と。

千葉哲幸
フードサービスジャーナリスト/フードフォーラム代表
柴田書店『月刊食堂』編集長の後、ライバル誌の商業界『飲食店経営』編集長を務めるなど、フードサービス業界記者歴ほぼ40年。フードサービス業界の歴史を語り、最新の動向を探求する。2014年7月に独立。「Yahoo!ニュース エキスパート」をはじめ、さまざまな媒体で執筆、書籍プロデュースを行う。著書に『外食入門』(日本食糧新聞社、2017年発行)













































