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2023.09.29

【酒井慎平】DXの最適化と再構築のワナ。自分たちは何者なのか。

酒井慎平の物申す!!

 こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。昨日、鳥貴族ホールディングスが社名を「エターナルホスピタリティグループ(Eternal Hospitality Group Co.,Ltd.)」に変更すると発表しました。10月の株主総会で承認されれば、来年5月から新社名になります。

 当社は、昨年に持株会社体制に移行し、株式会社鳥貴族から株式会社鳥貴族ホールディングスに社名を変更。同年、株式会社TORIKI BURGERを設立しチキンバーガー専門店「TORIKI BURGER」を開発出店を果たし、今年1月に「やきとり大吉」を展開するダイキチシステムを買収。「鳥貴族」単一ブランドを貫いてきた体制から一変して、マルチブランド企業へと変化を遂げました。

 「エターナルホスピタリティグループ」という新社名については、大倉忠司氏が1985年に個人で創業した際に「イターナルサービス」という社名で法人を設立しており、その当時の思い入れある社名を採用したのでしょう。社名が変更され、今後の活動にも注目が集まります。

 『名は体を表す』ということわざがありますが、レストランテック業界もまた個性的で信念を感じさせる企業名を持つ企業がたくさんあります。

 先日開催された食の総合展示会「FOOD STYLE Japan 2023」(株式会社イノベント運営)にて、レストランテック協会は日本最大のレストランテックのイベントブースを展開しました。その中で開催した飲食店CS特化型pitch「RTSS Pitch」では、オンラインの予選会を経た下記5社が決勝戦を行いました。

滝澤 俊英 氏(株式会社CSS-consulting 代表取締役社長)
水田 匡俊 氏(株式会社botto 代表取締役)
山田 真央 氏(株式会社dinii 代表取締役)
中野 佑弥 氏(株式会社アスピット 東京支店 マネージャー)
照井 彩香 氏(株式会社インフォマート カスタマーサクセス部コーディネート1課 主任)

決勝戦のピッチの結果、第1回の優勝企業は株式会社botto(ボットー)さんが輝きました。

 bottoは、飲食店の店舗運営を支援するコミュニケーションツールを運営していて、業務日報や自己評価シートなど、日々の連絡事項をアプリ化することで、まさに従業員が“没頭”できる職場作りを進めています。

 正直、ピッチプレゼンを行った水田匡俊氏(株式会社botto 代表取締役)に、改めて業務内容を説明してもらいましたがあまり上手く理解できませんでした。しかし、bottoは組織のミッションが明確だからこそ、単なる業務連絡のDXでは収まらない共感が生んでいます。

 これまで「DX」に関してさまざまな議論が交わされてきました。レストランテック業界も続々と新興企業が生まれ順風満帆に見えます。

 しかし業界の規模が拡大していくに連れて、どうしても同業他社との性能競争に陥ってしまいがちです。現に、日本のIT産業は、同業とのシステム競争を続けた結果、世界からガラパゴスと呼ばれるようなお客様のニーズを無視したサービスが溢れてしまいました。

 エンジニアのシステム至上主義は、職業柄の本能のようなものなのかもしれませんが、本来「DX」とは「効率化」でも「最適化」でも無く「再構築」であるべきです。

 最適なITツールとは何でしょうか。私は極論をいえば「不便」でも「不格好」でも「不細工」でも良いと思っていて、それよりも新たな価値を創造するためにデジタルと飲食店が適切な形に融合することがずっと大切だと思うのです。

 優秀なホールスタッフは、正確に仕事をこなす以外にも多くの魅力があるように、DXの本質を問う事で、ITがただのツールとして使われるのか、新たな価値を生み出す存在になれるのか見えてきます。自分たちは何者なのか、飲食店もIT企業も食に関わる産業全体で考えていきましょう。

酒井慎平

一般社団法人レストランテック協会

専務理事

20代で外食業界誌の編集長、外食産業記者会の代表幹事を務めた後に29歳で独立。長野県長野市で製造する長期熟成生ハム「掬月 Jamon KIKUZUKI」のブランドオーナー。外食業界に特化した広告代理業を軸に食の価値創造に取り組む。株式会社SATOKA 代表取締役。一般社団法人レストランテック協会 専務理事。NPO法人居酒屋甲子園 アドバイザー理事。一般社団法人これからの時代の飲食店マネジメント協会 プロコンサルタント。

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