FoodDeployのロゴ

ほぼ毎日更新!!飲食店のDXを後押しするWEBマガジン

2024.07.01

【飲食店最前線巡り #7】減らないバイトテロ。専門家に聞く予防策と事後対応

飲食店最前線巡りⅡ

「飲食店最前線巡り」の連載は7回目を迎えましたが、カラビナハートという会社で企業のマーケティングコンサルタントをしている吉田啓介と申します。飲食メディアで3年、飲食店で6年、外食チェーンのマーケティング部門に9年従事してきました。前職の飲食業でも幾度か経験しましたが、今日のテーマは炎上です。発生の理由は様々ですが、今回はバイトテロをテーマにしてその道のプロにインタビューをしました。

バイトテロが拡散される理由とは

バイトテロとは、従業員が撮影した不適切な画像や動画をSNSにアップして拡散されることを言います。SNS時代の到来で誰もが簡単に世界に向けて情報を発信できるようになったからこそ起きること。最近は、そういった不適切な動画を発見した人が、インフルエンサーらに連絡して、そのインフルエンサーが取り上げることで一気に拡散する流れが目立ちます。

SNSで拡散されている様子をWebメディアが見つけて紹介してさらに広がり、やがてマスメディアへ広がって、テレビや新聞などを通してSNSを見ない層へも情報が伝播していきます。

近年は、このバイトテロを起こした従業員に対して企業側が損害賠償を求めたり、企業側の対応自体もメディアで注目が集まります。バイトテロを起こしてしまった本人は、間もなく個人情報が特定され、法の裁きを待たずに社会的な制裁を受けることもしばしば。

それでも頻繁に起こるバイトテロ。実際には数は変化しているのでしょうか。

デジタルクライシス対策の専門家にインタビューをしました。

炎上対策に詳しいプロに話を聞きました

聞いた人

シエンプレ株式会社
WEBコンサルタント
桑江 令 さん
https://www.siemple.co.jp/

Q飲食店の従業員によるバイトテロの数は増えていますか?減っていますか?

→変わっていません。メディアにとってのニュースバリューは小さくなっているのもあり、ニュース自体が目立たなくなってきたのはありますが、数は減っていません。

出典:シエンプレ社調べ

 

Q飲食店の事業規模と炎上の大きさは関係がありますか?

→飲食店のネームバリューと関係が強いです。有名なチェーン店であればメディア側も積極的に取り上げるので情報が広がりやすいです。

Qこれだけ報道されている中で大手チェーンでのバイトテロが毎年のように起こるのはなぜですか?

→不適切な行為をするスタッフ、動画を撮影、投稿するスタッフ自身が自分ごと化されてないのが大きな理由です。企業側が採用時に誓約書の締結を行っても起きます。
また、SNSのプラットフォームが増えた時代背景も影響しています。例えばTikTokは、フォロワー数が少なくても一定の再生がされるアルゴリズムであり広がりやすいです。後々の人生よりもその瞬間の承認欲求が勝ってしまうのかもしれません。

Q企業側ができる予防策は何がありますか?

→採用時の誓約書、研修、動画コンテンツでの啓蒙、職場へのスマホ持ち込み禁止などルール化などがあります。万が一の時に「投稿した人」がどんな処罰があるかを考えながら、自分ごと化してもらうのが大切です。

 

Q従業員による炎上で業績にどんな影響がありますか?

→実はバイトテロ、客テロの場合は「お店側がかわいそう」という感情が生まれて、対応をしっかりしていればポジティブな受け止め方をされることが多いです。応援文脈に近いです。そのためバイトテロに関しては業績がマイナスに働くことが少ないです。

 

Q起きてしまった後の対応で「お見事」と思った事例があれば教えてください。

→バイトテロでは、随分前ですがアメリカ本国のドミノ・ピザに関してYouTubeで不適切な内容が拡散されました。社長自らがYouTubeでメッセージ動画を出したのですが、この行動と内容は評価が高かったようです。同じプラットフォームで出すことで、関連として見られやすくなります。起きた場所で火消しをすることが大切ですね。

事前に起きない仕組みも欠かせません。例えばアルバイトによる店内での動画撮影が増えたあたりでマクドナルドさんはキッチンにスマートフォンが持ち込みを禁止したようですが、ルール化に加えてユニフォームのポケットを無くすことで、物理的に持ち込めないようにしたと言われています。 

QSNSの公式アカウントの有無と炎上のしやすさは関係がありますか?これまでの炎上のケースだと火消しをするには同じプラットフォームにアカウントがあることも必要かと感じました。

→同じフィールドで情報を発信すると見てもらいやすいです。TikTokではまだ対応仕切れない企業が多いのも実情です。

Qこの先もバイトテロはなくならないでしょうか?

→無くなることは無さそうですが、ニュースバリューは下がっているので話題に上がることは減る可能性はあります。予防と万が一起きた時に対応をしっかりすれば広がりやネガな印象は抑えられます。

Q様々な予防がある中でおすすめの打ち手があれば教えてください。

→Googleマップのオーナー返信をちゃんとすることです。ネガティブなことにもちゃんと返信すると星を変えてくれたり、対応する様子を見て変なことを言わなくなる。見えなくする、消すのはナンセンス。しっかり対応する姿勢を見せることが大切です。

桑江さん、ありがとうございました。

完全に防げないからこそ起きた時の準備を

さて、これまで起きたバイトテロを3つ思い出してください。
・・・スッと思い出せましたか?私も桑江さんと事例をたどりながら話をしたのですが、「あれ、それ全く覚えてないです」というのもあり、その瞬間は話題になっても、記憶としては定着しにくいのも事実。

企業、飲食店側は、バイトテロは100%防ぐのは難しいことを理解しながら、予防をしっかりすることともし発生した際には隠さずにオープンな場で対処することが求められそうです。いつも食べに来てくれる方に応援してもらえるように、日頃から真摯な姿勢で営業していることも後押しになりそうです。

SNS公式アカウントは消防車にもなれる

また、飲食店のSNS活用に携わっていた立場からみて、様々なプラットフォームで公式アカウントを持っておくことはおすすめです。私の実体験ですが、料理に異物が混入してしまい、それをお客様がSNSに発信し瞬く間に広がってテレビなどでも取り上げられました。

会社はお詫びし、原因と対策をすぐに発表し、公式SNSでも同様に内容を発信したのですが、その投稿には「応援している」「こういうこともある」「何か起きた後の今が一番安心な時期ですね!」「明日も食べに行きます」など応援のコメントがたくさんつきました。もちろん厳しいお言葉もありますが、日頃から丁寧にSNSでもコミュニケーションをとってきた結果と考えています。

今のご時世、お詫びや対策のプレスリリースを公式サイトまで見に来てくれる人は限られます。メディアなど他の誰にも加工されず、自分たちの言葉で発信するには公式アカウントが必要と考えています。

沖縄と北海道が同時に楽しめるお店で

さて、最後ですが今回の打ち合わせをしたお店を紹介して終わりにします。

インタビューの対応をしてくれたシエンプレの桑江さんは沖縄出身で、私は北海道の産まれ。両極端なのですが、東京の神泉に「北海道&沖縄酒場 シブネコ」というお店があります。ここで南北のおいしいものに舌鼓を打ちながらインタビューをさせていただきました。

北海道と沖縄の料理を一緒に楽しみたい時は・・・ぜひ行ってみてください。ウニと海ぶどうのこんなマリアージュもあります。

北海道と沖縄の両方が一度に味わえるお店はこちら

◎シブネコ
井の頭線神泉駅から徒歩1分、渋谷駅から徒歩7分
東京都渋谷区円山町23-8 円ビル2F
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13275968/


吉田啓介

カラビナハート株式会社

執行役員/シニアコンサルタント

カラビナハート株式会社のマーケティングコンサルタント。外食、メーカー、決済事業者など様々な業種のSNSなどを中心としたコミュニケーションを支援しています。2020年4月まではすかいらーくHDに在籍。ガスト、バーミヤンで店長を務めたのちにマーケティング本部へ異動し、広告宣伝、CRMや決済、ポイントプログラム、テーブルオーダーなど店舗内UIUXなどを担当。

記事をシェアする