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2024.04.10

【竹田クニ】新潮流「モノ」→「コト」→「イミ消費」へ!「共感」の連鎖が供給難時代のカギ

竹田クニのインサイト

「イミ消費」を提唱してから6~7年が経つでしょうか・・・。

SDGs、ソーシャルグッドに対する関心の高まりから、消費における価値観が「モノ」→「コト」→「イミ」に変化しつつあり、「イミ消費で」では環境保護、弱者支援、フェアトレード、歴史・文化保全といった社会価値を大切にする消費価値観を定義しました。

今改めて、この変化の大きな時代において、消費だけでなく、仕事や所属する組織やコミュニティーにおいても「イミ」が大切になってきていると考えます。

「イミ消費」とは?

2016年頃に提唱したイミ消費は下記。

ありがたいことに、各所で引用いただいております。

「モノ」HAVE →「コト」DO →「イミ」BE  イミ消費は消費の「あり方」を問う考え方

  • 高度経済成長期~バブル時代 →どんな「モノ」を所有するか?が豊かさの象徴

  • 90年代後半、失われた20年 →モノを売るのではなく体験を売れ

  • 2000年以降、特に東日本大震災以降 →生き方、消費のあり方を問う考え方

この変化に着目をしたわけです。

「目的」というより「あり方」

「トキ消費」「ヒト消費」「エモ消費」…など今やいろいろ類似のキーワードが提示され、こうした議論が活発になることは良いことだと思っておりますが、「イミ」消費の概念で包括できるのではないか?と考えております。

ただ一つ、イミ消費は「目的」というより、 消費のあり方を問う…というものととらえていて、その意味で「BE」=あり方なのです。

 共感がつなぐ消費と組織

 消費において

例えば…

  • 無農薬、無添加

  • ロスが少ない、生まない

  • 地産品

  • 被災地支援

  • フェアトレード

  • カーボンオフセット

  • アニマルウェルフェア

こうしたキーワードに該当する商品は消費者の「共感」を生み、それを購入・消費・味わうことに何らかの善行感や貢献感が生まれ、消費者自身の「BE」消費のあり方にたいしてポジティブなマインドを醸成する。

地球市民として正しい消費のあり方を行えるということが、豊かさの一つにもなり得る…そういう考え方だと思います。

 人材不足の環境においても重要な「共感」

採用難が続く中、アルバイト・パートの時給は上昇し、募集時の時給は大都市圏では1400円、1500円というのも珍しくは無くなってきています。

しかしながら皆さまの周りにある繁盛店、人材が定着している店はどうかというと、必ずしも時給が高い店ばかりではありません。人材マネジメントにおいて 人材獲得・定着=高時給ではない ということ言えます。

 人の採用に困っていない、人が定着する企業の特徴

人が採用できている、定着している店には一定の共通する要素があるように思います。

  • 企業理念・ビジョンで、客、従業員、地域、などに対する存在意義、経営目的が明確になっている

  • 従業員教育、コミュニケーションの仕組がある

  • 従業員のスキル向上、だけでなく社会人としての成長、人間力向上といった「体験価値」が明言されている。

その他の特徴として

  • お客様出身のスタッフ(元々客だったが従業員になった)の存在

  • リファラル採用(従業員からの紹介)が多い

  • スタッフが「オフ」の時に客として来店

といったものもあるように感じます。

お客様、従業員の共感の連鎖

現在の経営環境下では“共感”で結ばれたトライアングルが重要であると考えます。

顧客は払った金額同等以上の満足、モノだけではない満足感、貢献感、善行感。従業員は相応の給与だけでなく、店の理念、ミッション、ビジョンに対する共感、働く中で得られる貢献感、自己効力感、そして成長感や組織への適合感。こうした要素が実感できる店は「強い」「共感」によって結ばれたトライアングルを持つ店・企業が繁盛するのだと考えられます。

DXの上位概念、何を提案するのか?

今、飲食店を支援するコンサルタントが、ベンダーが提案すべきは

「目の前の業務の効率化・省力化・省人化を目的としたデジタル導入」では無く、「“共感”型経営に進化するために必要な改革」だと思うのです。

確かに、現在の経営環境下で飲食店は厳しい経営状態にあり、デジタルツールの導入によって何がしかの業務がデジタルによっ改善・効率化できる…ということは間違いない。

しかしながら、コンサルタント、ベンダーが目指すべきは、「業務をデジタルに置き換える提案」から、「会社・店を進化させる改革の提案」であり

それこそが、本来のDX=Digital Transformation =デジタル技術を活用した業務革新 と呼べるのだと思います。

 

 

竹田クニ

株式会社ケイノーツ

代表取締役

早稲田大学商学部卒業後、1988年株式会社リクルート入社。HR事業、旅行情報事業の営業部長、じゃらんリサーチセンターで地域活性事業のプロデューサー、経営企画部中長期戦略室などを経て2011年に飲食情報事業のシンクタンクHPGリサーチセンター(現・外食総研)の初代センター長に就任。計29年在籍の後、2016年に独立し(株)ケイノーツ設立。現在は外食マーケティングのスペシャリストとしてマーケティング、消費者の価値観変化、生産性向上などをテーマに記事執筆、講演活動、フードビジネス関連企業のアドバイザリー・顧問、食のビジネスマッチングなど活動中。

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