
2024.04.17
【酒井慎平】若者の「1」の生き方、分母に依存しない新たな価値観。
酒井慎平の物申す!!こんにちは。桜が舞い散る4月に入りました。新社会人たちが新しいリクルートスーツを身に纏み、緊張した面持ちで入社式を迎えている風景が眩しく映ります。
この春の新社会人は、学校生活の大半をコロナ禍のもとで過ごして不自由を強いられた世代です。社会人の先輩方からは「対面のコミュニケーションが苦手では」「多くの人との共同作業に慣れていないのでは」などと心配する声もありますが、コロナ禍という予測不能な環境を様々な工夫で乗り切った対応力もあるはずです。大いに期待しています。
■資本主義を疑い始めた若者たち
最近、私の周りでは「若者が資本主義を疑い始めた」「最近の経営者は規模拡大に興味がない」という話題が上がるようになりました。私も肌で感じていた事でもあり、社会的にも経済的にも不安定な今、いくらでもその要因を上げることができます。
しかし、これから社会に一歩目を踏み出そうという新社会人は、もっと直感的に社会の雰囲気を察知して動いてます。今回のコラムでは、新社会人が今働くことへの価値観について考察していこうと思います。
尚、このコラムの「若者」の言葉は、Z世代と呼ばれる1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代を指す事とします。ではまずは「若者たちが資本主義を疑い始めた」というのはどういうことか考察していきます。
そもそも資本主義とは何なのか簡単におさらいします。
資本主義とは、国政よりも営利目的の個人的所有者によって貿易と産業を制御するための経済的・政治的システムです。主に企業が自己資本を使い利潤追求するための仕組みです。
ドイツの経済学者ルートヴィッヒ・ポーレによる資本主義の最大の特徴は、(1)「個人主義的経済秩序」(2)「営利経済的生産方法」(3)「企業」という三つの要素の複合体として把握するところにあるとされています。
政府は、様々な弊害を是正する仕組みを、「成長戦略」と「分配戦略」の両面から、資本主義の中に埋め込み、資本主義がもたらす便益を最大化していく方針です。
※『資本主義と社会主義―現代の経済秩序の原理』より
このコラムで政治の話は割愛しますが、つまり産業と貿易の根幹である経済・政治システムの信用が失われてしまっているわけです。
それに加えて、この失われた30年を振り返ると、ベルリンの壁崩壊、バブル崩壊、リーマンショック、コロナショック、数々の自然災害、少子高齢化に貧困など、社会的にも不安な時代を長く過ごしてきました。このような未曾有の事態に対する政治対応にも不信感の要因があるのでしょう。経済的・政治的・社会的に不安定な時代を生きてきた彼らが社会人という立場になって何を志すのでしょうか。
■若者の「1」の生き方
今の社会は、さまざまな面でネガティブ要素が取り沙汰されていますが、30代半ばの私の感覚では、今のZ世代の若者たちは、全世代のなかでも最も未来志向のやる気に満ちあふれた世代だと感じます。
社会の諸先輩方は、この国や若者の将来を危惧する小言を吐露しがちですが、一部の若者はそんな生産性のない会話には加わらずに、個々でやるべき事を見据えて動いています。
Z世代は、デジタルネイティブやSNSネイティブとも呼ばれ、効率主義、強い仲間志向、ワークライフバランス、多様性などの特徴があります。また、タイパ(タイムパフォーマンス)重視の効率主義、仕事よりプライベート重視、多様性を重んじるなどの価値観を持っているのです。
また、前世代であるX・Y世代とは大きく異なる特徴をもっていて、X世代と比べてインターネットで能動的に情報収集することが多く、Y世代と比べてオンラインショップと実店舗の両方を活用することが多いと言われています。
今はインターネットの普及に伴って自己実現も容易になってきました。自分の好きな製品をECサイトから販売したり、Youtubeでタレント業や音楽活動など1人でもやれることの幅が飛躍的に広がりました。外食産業におけるIT化もその一つでしょう。つまり集団にならずに1人でも自己実現が可能な社会になりつつあるなかで、Z世代を中心とした若い世代はより効率的に大衆に群れない生き方を選択しているのかもしれません。
■分母に依存しない生き方
規模拡大は分母の拡大でもあります。例えば店舗数が約2倍になれば売上・利益も諸経費も約2倍になります。しかし、本来は価格変動があまりはずの固定費(原材料費、光熱費、人件費など)がどんどんと高騰を続けている今、手元に残る金額(分子)が減る一方で事業の分母を増やすことは容易ではありません。
ただ、若者たちのモチベーションが下がっているかというとそうでもありません。彼らは、既存市場や既存事業の分母を増やすのではなく、先ほどから述べてきた社会問題・経済問題を解決する0→1の仕組みを生み出すことに情熱を注いでいます。
分母「1」ということは、「10/10」でも「1000/1000」でもあるわけです。今は変革期なのです。世の中が乱高下する今、私は既存の仕組みに依然せずに自分の信念を信じて0から1の仕組みを生み出していこうとする若き新世代の背中に期待せずにはいられません。それぞれ異なる価値観を持つ世代がお互いを理解しあい協力する社会になればと願うばかりです。











































