
2025.02.07
大手外食経営の知見から生まれた管理システム「FLARO」が飲食企業のDXを促進<後編>
俺のサービスを聞け売上、仕入、勤怠、シフト、予算など、店舗に関わる情報を一元管理し分析する飲食店の経営管理プラットフォームが「FLARO(フラーロ)」だ。展開するのは株式会社flaro。FLARO(flaro)とは食材原価(Food)、人件費(Labor)、広告宣伝費(Advertising)、家賃(Rent)、その他費用(Other)の各頭文字を組み合わせた造語であり、まさに飲食店経営のために存在するサービス/企業である。その独自性やこれまでとこれからなどを、同社代表の安部修平氏にうかがった。(前編はこちら)

見えづらい集客効果も可視化できる
前編では「FLARO」のサービス特徴や、独自性などを解説した。その強みは、売上やコストといった知りたい情報を一覧で瞬時にチェックでき、各店舗や状況に沿った戦略を打てること。
経営管理が抱える課題をIT技術で解決し、“人が人にしかできない仕事へ没頭させる”をミッションに掲げる同社。2023年4月にローンチした「FLARO」の稼働状況としては、2025年の3月末までの見立てで約60社、1300弱の店舗で導入されている。

具体的な機能を挙げてみよう。たとえば、広告宣伝費(Advertising)に関しては専門性が高い分野だが、「FLARO」ではAIによる需要予測、グルメ媒体分析、媒体ポテンシャル、お客さま評価などをデータとともに分析し、効率的な集客対策を講じることもできる。

これまでの苦難とターニングポイント
flaro社は2022年5月に創業し、サービスローンチからはもうすぐ丸2年が経つ。ここまでの歩みには、どんな困難があったのだろうか。
「たくさんありますが、一番は社内のチーム作りです。『FLARO』を提案する際にお話しするお相手は社長様だったり管理本部長様だったりしますので、相応のビジネススキルとサービス知識が欠かせません。
当然、飲食業の商習慣や経営管理に加えてITリテラシー、そして勤怠労務管理や会計の知識も必要です。これらを踏まえたうえで、マーケティングも網羅的に語れる人材を育てることが重要であり、教育面は非常に大変でした」

「FLARO」のシステム開発はベトナムが拠点であり、現地とのコミュニケーションにおいては楽しい部分もありつつ、生みの苦しみも味わったと安部氏は振り返る。
「出会いの面では、当社創業前にレストランテック協会の山澤さん(山澤修平代表理事。安部氏も協会立ち上げメンバーのひとり)をはじめ、外食のDX化を推進する有志とのネットワークが作れたのはターニングポイントだったと思います。メンタル面でも心強く、非常に励みとなりました」
システム導入はコストではなく投資
改めて現在、外食業界における課題を聞くと、やはり人手不足と過重労働が喫緊だと安部氏。そのための最適解がDXであり、より「FLARO」を広めて“人が人にしかできない仕事へ没頭させる”を実現したいと力強く語る。
「特にグローバルな視点でみると、日本は他国に比べてシステム投資比率が圧倒的に低い状況です。なかでも外食業界は目立って低く、『FLARO』を例に挙げると1店舗の全体コストに対してシステムコストは平均0.2%程度ですね。人件費や食材コストはそれぞれ一般平均が20~30%なのに対し、DXには0.2%と大きな差があるんです」

その根底には、システム分の経費をコストと捉えてしまいがちだからではないか、と安部氏は指摘する。
「この経費をコストではなく、投資として発想を転換できれば、より無駄なコストを抑えて利益を上げるための施策を考えやすくなるとも思います。もちろん、ただ闇雲にシステムを導入しようと推奨するつもりはありません。見えづらい経営資源を可視化し、無駄は省いて必要なところにはしっかり投資する。このマインドが、今後ますます人材難となる日本の外食業界には必要だと思いますね」
国内はもちろん東南アジアを皮切りに世界も目指す
最後に今後の展望も語ってもらった。導入店舗数でいえば、3年後に1万軒を目指す。
「グローバル展開も見据えており、先日はベトナムとタイで外食経営者とお話させていただきました。東南アジアは外食文化が盛んで、店舗数は日本と同じぐらいあるのですがDX化は日本以上に遅れており、だからこそ可能性を感じています。しかも平均年齢が日本より圧倒的に若いことも追い風ですので、ベトナムやタイでも日本同様に、まずは1万店舗を目標に拡大を進めていきたいです」
「FLARO」のサービスとしても、時代の進化と並行しながら柔軟に成長していきたいと話す。

「直近では生成AIの躍進が話題ですが、テクノロジーの進歩はきわめてスピーディー。もちろん新しい技術も取り入れますし、新しいSaaS(サービスとしてのソフトウェアのこと)もどんどん生まれているので、適宜これらとつながりつつ集約化し、一元管理のうえアウトプットしていく流れをしっかり作っていくことですね。そしてスピード感。この1年も『FLARO』の躍進に、ぜひご注目ください!」
【前編はこちら】












































