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2022.07.29

Wonderの挑戦:シェフとキッチンカーで実現する出来立て料理デリバリーサービス

海外飲食DXニュース

どんな料理も出来上がってから時間が経てば経つほど味が落ち、香りが抜けていきます。

特に、フードデリバリーでは、注文してから配達されるまでに時間がかかるため、この問題を避けて通れません。

そのため、一般的なフードデリバリーでは、料理はやや冷めて、ピークが過ぎた状態になっているのが普通といえるでしょう。

しかし、モバイル・レストラン・デリバリーのスタートアップ「Wonder(ワンダー)」は、出来立ての料理を配達することで、他のフードデリバリーとの差別化を図っています。

具体的には、玄関先にキッチンカーがやってきて料理をその場で作って届けるサービスです。

2022年8月現在、このサービスが良くも悪くも注目を集めています。

玄関先にやってくるモバイル・レストラン・デリバリーサービス

玄関先にやってくるモバイル・レストラン・デリバリーサービス

出典:"All In" on Wonder

ニューヨークを拠点にするスタートアップWonderは、モバイル・レストラン・デリバリーサービスを展開しており、そのエリアを拡大しています。

モバイル・レストラン・デリバリーとは、配達先の玄関前にキッチンカーを待機させ、料理をその場で作り、届けるサービスです。

シェフと協力しメニューを作成し、使用するキッチンカーは専用の設備を備えた車両であり、メニューも厨房の規模に合わせたものが用意されています。

提供されている料理は多岐にわたり、例をあげると以下のとおりです。

  • 中東

  • メキシコ

  • 中華

  • ギリシャ

  • イタリア

  • インド

  • 日本

ユーザーはこれらの料理をアプリから注文し、出来立てを玄関先で受け取ることができます。

このビジネスモデルに関して、従来のフードデリバリーよりも、さらにユーザーの利益になるとWonderはメディアにコメントしています。

シリーズBの資金調達でエリア拡大を目指す

 Wonderの資金調達

2022年6月に、Wonderはシリーズ B の資金調達で3 億 5,000 万ドル(約470億円)の調達を完了しました。

この調達で得られた資金で、サービス対応エリアを広げ、3つの州に規模拡大を計画しているとコメントしています

2022年7月の段階でWonder のモバイル・レストランは、ニュージャージー州の 22 の町で利用でき、130,000 世帯以上がサービス対応のエリアです。

また、モバイル・レストラン・デリバリーサービス自体はユーザーから大変好評です。

GoogleアプリストアのWonderのアプリはダウンロード数だけで1万を越え、350 件以上のレビュー評価があり、平均評価は4.9以上(最高は5)となっています。

サービスの品質を維持できれば、エリア拡大により認知度を高められるはずです。

贅沢なサービスと称されるWonderのサービス

贅沢なサービスと称されるWonderのサービス

玄関先にキッチンカーを停めて、顧客に出来立ての料理を提供するWonderですが、このビジネスモデルを疑問視する住民もいます。

特に、気候変動に対して危機意識が強い住民からは、注文のたびにWonderのキッチンカーが路肩でアイドリングして、料理を作っているのは不必要に二酸化炭素を排出していると指摘しています。

現行のWonderのキッチンカーは、メルセデス・ベンツのバンを利用しており、ディーゼルエンジンを搭載しているため、住民からの指摘は納得できるものといえるでしょう。

そのため、キッチンカーを玄関先に呼ぶ姿を「帝国のようなもの(貴族のような贅沢)」と表現する住民もいるそうです。

現在のWonderが対応しているエリアは限定されたものですが、2035 年までにアメリカ全土に拡大する計画をしています。

今後、ビジネスを広げていくうえで、増えていく数千・数万台のキッチンカーと環境対策をどうするのかがキーとなるでしょう。

キッチンカーを使ったモバイル・レストランWonder

モバイル・レストランを展開するWonderは、従来のフードデリバリーサービスよりも、さらに踏み込んだサービスを展開し、高い支持を得ています。

Wonderが考案したのは、シェフと協力したメニューと専用のキッチンカーで配達先の家の前で調理をして、出来立ての料理を届けるデリバリーサービスです。

利用しているユーザーからの評価は高く、満足度の高いデリバリーサービスになっているといえるでしょう。

ただし、キッチンカーの排出ガスに対して批判も出ています。

これらの課題を克服する必要はありますが、キッチンカーの運用に関して参考になるビジネスモデルといえるのではないでしょうか。

参考サイト

Suburbanites Fight Over New Dinner Services in Mercedes Vans – WSJ

‘Late Empire Sort of Stuff’: Wonder Faces Backlash Over Environmental Impact of Vans

Food delivery startup Wonder raises $350M | Restaurant Dive

Marc Lore’s food delivery startup Wonder raises $350M at a $3.5B valuation – TechCrunch

前田淳一郎

グラフィック制作カタパルト

代表

1983年岐阜県生まれ。プログラマー、整備士、物流と転職し、日本橋で寿司職人の世界に入り、立ち食い寿司屋の店長になる。原価の高いをいわれる寿司で、原価調整と材料管理を徹底し、原価を平均25~30%に抑える。その後カナダで移民に挑戦し、現地の海上コンテナのフォワーダー企業に勤める。帰国後に外資系に勤務。
2020年より、Webライターをしながら世界の新しい「食の常識」を発信中。

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