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2025.04.18

【竹田クニ】ギガにタダ乗り!?個人情報!? スマホオーダーシステムに対する消費者の声

竹田クニのインサイト

スマホを使ったオーダーについては、市場にほぼ浸透したように見えます。
しかしながら利便性を支持する声がある一方で、ネガティブな声があるのも事実。
飲食店にとっては省力化や本来業務への集中というメリットがある一方、消費者がどのような不満・不便を感じているのか? 市場が浸透してきた今こそ、無視してはならないテーマだと思われます。

スマホを使ったオーダーシステムに対する消費者の声

AERAdot.の3月20日の記事では、スマホオーダー(モバイルオーダー)に対する消費者の否定的な意見が紹介されています。

賛否両論ある“飲食店のスマホ注文” 通信料とバッテリー残量懸念の声「客にタダ乗り」
| AERA dot. (アエラドット)

意外にも(?)スマホオーダーに対してネガティブな意見を持っているカスタマーは一定数存在するようで、まとめると…

  • なぜ客が通信費を負担するのか?

  • スマホのバッテリー切れが心配

  • 注文係になってしまうのがイヤ!

  • LINE友達追加が煩わしい

  • 食事中にスマホをいじりたくない(子どもの注意散漫や衛生面の問題)

これらが多数意見かどうかは別として、言われてみれば「ごもっとも」と思える部分もあります。

「X」での炎上、YouTubeでの様々な見解

SNS上でも賛否両論が展開されており、中には炎上するケースもあるようです。

堀江貴文氏のYouTube 「モバイルオーダーに文句言うのは筋違いだろ」

【2chニュース】急増…なぜ、飲食店のモバイルオーダーは嫌われるのか【時事ゆっくり】

こうした意見の正誤や好き嫌いはともかく、DXを真に実現・定着させ、さらに進化させるためには、建設的かつ啓発的な姿勢で向き合うことが必要でしょう。

ネガティブ意見のまとめ

  • 通信料とバッテリー消費
    「客が通信費を負担する」「通信制限にかかり、読み込みが遅い」「バッテリー切れが不安」など。
    →通信費はTV番組でITジャーナリストが「数円程度かそれ以下」とコメントしており、実際は極小額との見方が強い。

  • 個人情報・セキュリティの問題
    個人情報のかたまりであるスマホにアプリをインストールするリスク。もしアプリが脆弱であれば、個人情報や決済情報が漏洩する恐れがある。

  • インターフェースの使いづらさ
    各社システムのUIが違い、選びづらい・わかりづらい。高齢者などデジタルリテラシーが低い人には使いにくい、など。

  • 衛生面
    スマホは雑菌の巣窟と言われるが、紙メニューやタブレットも同様との指摘も。

  • 会員登録やLINEアカウント取得が面倒
    アプリのインストールや登録が必要なケースでは、導入にハードルを感じる人もいる。

「タブレットはOK」だけど、「スマホはイヤ」

「メニューの一覧性」や「写真によるシズル感」を重視する声は依然として根強く、「紙メニューも残してほしい!」という意見も。
また、紙メニューの利点をそれほど損なわずに利用できる「タブレットオーダーシステム」には、比較的ポジティブな反応が目立つようです。
これはデジタルへの“過渡期”としての現象と捉えることもできますが、業態や客層に合わせてデジタルとアナログの強みを最適に組み合わせていく視点が大切と言えるでしょう。

欲しい「呼び名」の統一

モバイルオーダーへのネガティブな声

こんな意見もありました。
「モバイルオーダー」=店外から注文し、並ばずに商品を受け取れるシステムに対しては、利便性がある一方で…

  • 理解はできるが、列を“飛ばされる”ようで解せない

  • なんとなく「ズルい」気がする

「タイパ」を重んじる風潮がある一方、こうした声もあるわけです。

呼び名の統一を!

こうした議論や建設的・啓発的なアウトプットを増やしていくためにも、呼び名の統一が必要と考えられます。

  • モバイルオーダー …店外から注文する(事前注文・支払いが主)

  • スマホオーダー または セルフオーダー …店内で客自身のスマホを使って注文

  • タブレットオーダー …店側が設置したタブレット端末で注文

「店外からも“セルフ”では?」とか「自分のタブレットでQRコードを読み取った場合は?」など、突っ込みどころはありますが、大きく見て多数派の使い方から呼称を定義するほうが議論の混乱が少ないのではないでしょうか。

モバイルオーダーはコロナ禍の「非接触」という契機で急増し、人手不足を背景に導入が進みました。現在は、こうした導入意義を改めて問い直す「啓発期」から「安定期」への過渡期と考えられます。
今後は店舗側の導入意義だけでなく、消費者の「機能的価値」「情緒的価値」「体験価値」をどう高めるかも深く検討していく必要があるでしょう。

出典:レストランテック協会

竹田クニ

株式会社ケイノーツ

代表取締役

早稲田大学商学部卒業後、1988年株式会社リクルート入社。HR事業、旅行情報事業の営業部長、じゃらんリサーチセンターで地域活性事業のプロデューサー、経営企画部中長期戦略室などを経て2011年に飲食情報事業のシンクタンクHPGリサーチセンター(現・外食総研)の初代センター長に就任。計29年在籍の後、2016年に独立し(株)ケイノーツ設立。現在は外食マーケティングのスペシャリストとしてマーケティング、消費者の価値観変化、生産性向上などをテーマに記事執筆、講演活動、フードビジネス関連企業のアドバイザリー・顧問、食のビジネスマッチングなど活動中。

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