
2025.02.14
【竹田クニ】タバコは飲食店にとって“悪”? 「“習慣”の多様性」を受容する社会をどう実現するのか?
竹田クニのインサイトご存じの通り、飲食店での喫煙については2020年4月より原則屋内は禁止。
改正健康増進法の受動喫煙防止条項によって規制されました。
一方で、電子タバコを店内で吸える飲食店は増加傾向にありますし、店によっては喫煙ブースで吸えるケースもあります。
タバコが嫌いな人には飲食店の快適性が増す一方で、煙草吸う人にとっては飲食店での体験価値に影響する問題。
テクノロジーはこの問題に対して貢献できるのでしょうか?
現在の規制の概要
飲食店の方は良くご存じかと思いますが、2020年4月より飲食店は原則禁煙となりましたが、下記の通りタバコを吸うことが許されるいくつかのパターンの店舗が存在します。

自治体によって異なる規制
複雑なのは、上記に「各自治体独自の条例」が上乗せされ運用される…という点です。

今年…2025年に大阪万博が開催される大阪府では、客室面積が100平米→30平米以上と厳しくなり、これによって客室面積が10坪に満たない規模の店舗でも対象になるという厳しい運用となります。
規制の詳細、罰則、醸成金など飲食店の対応の詳細は、ぐるなびがWEB上にUPしている「ぐるなび通信」でJTの専門家が書いた記事があるので、そちらを参照されたい。
2025年版・飲食店×たばこの喫煙ルール。正しい分煙対策をプロが解説します! - ぐるなび通信
「“習慣“の多様性」を受容する社会をどう実現するのか?
喫煙の問題は
受動喫煙による健康被害の抑止
喫煙者のがん発症リスクの啓発
企業の健康経営への取り組み
などにより近年大きく進んだ取り組みであります。
①➁③については正しく、あるべきものだと考えます。
厳しい規制が邪道・抜け道を生むという因果
駐車場で、ビルのスキマに隠れて…公園の木々に紛れて…たばこを吸う人を見かけると思います。ちなみに駐車場は「私有地」であって「路上」ではないという意識から吸う人が絶えないそうですが、ビルのスキマや木々に隠れて…は違反。
問題なのは、規制ばかりで逃げ道がなくなると、邪道や隠匿が横行するという因果です。
アメリカの禁酒法時代には「スピークイージー」という隠れ酒場が増殖したそうですが、逃げ道の無い規制が邪道や隠匿を作ってしまう構造に、こうした“隠れたばこ“は似ている気がします。

インターネットで公開されている記事より抜粋
https://mafia-goods.com/history/2300/
タバコは“悪”なのか?飲食店にとっての喫煙問題
「禁煙にして客層が広がり、売り上げが増えた!」という店
「タバコ吸えないならほかの店行くわ…で客数が減った」という店
どちらもあるのではないでしょうか?
家族を連れていきたい食事業態は禁煙がプラス方向にいくかもしれません。一方で酒とたばこを楽しむ客層が多い大衆酒場などでは集客減につながりそうです。
業態、ターゲットによって特徴があるのだと思いますが、某グルメサイトによると、サイト上の「フリーワード検索」で「喫煙可」は増加傾向にあるようで、タバコを吸える店を探す消費者が一定数以上いることは確かなようです。
テクノロジーで解決できることは無いのだろうか?
習慣や文化、個性の多様性…アルコールダイバシティ、LBGTQ、ハラル、ビーガン、バリアフリーと何が違うのか?
世の中は、多様性を尊重し、様々な国籍や立場、習慣、考え方の人々がハーモナイズする方向に向かっています。
マイノリティが、居場所がなくなったり、差別を受けたりすることが無い世の中を地球全体が指向しています。
喫煙率は最新データで15.7%(男性25.6% 女性6.9%)で、“マイノリティ“なのかもしれません。
喫煙問題は、習慣、文化、個性…それぞれが快適に過ごせる社会の実現というテーマにおいて、必ずしもバランスの良い進化をしていない気がするのは筆者だけでしょうか?
テクノロジーで実現する、それぞれの居場所を選べる社会
高性能な喫煙ブースや空気清浄機はどんどん進化し、今後も良いものが生み出されると期待されます。

写真はイメージです
飲食店予約、宿泊予約サイトでは、「喫煙席」「禁煙席」を選択できる機能を装備しているものが増えてきました。物理的な分煙施策と共に、消費者各々が快適に過ごせる店・席を選べる社会になっていきたいものです。

株式会社リクルート レストランボードの例
席タイプを選択できるように設定する – レストランボード マニュアル·よくあるご質問
8400億円?
今をさかのぼる事7年前の2017年 富士経済が実施した調査によると、バーやスナックを含む外食全体で禁煙となった場合に約8400億円の経済損失…という試算が議論を呼びました。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ03HY6_T00C17A3000000/
たばこ税は年間2兆円!

日本人の喫煙率の推移(右側)とたばこ販売数量推移(左・折れ線)は見事に同期している一方で、「たばこ税」は約2兆円でほぼ横ばい。
2兆円の存在は余りに大きい。
ダイバシティとしての進化に期待
喫煙の問題は、マイノリティを社会から一掃するのではなく、ダイバシティの問題の一つとして考え、ポジティブに、建設的に、新たな「進化」を指向することが大切と考えられるのではないでしょうか?
そこにテクノロジーのチカラは必ず役に立てるはずです。

竹田クニ
株式会社ケイノーツ
代表取締役
早稲田大学商学部卒業後、1988年株式会社リクルート入社。HR事業、旅行情報事業の営業部長、じゃらんリサーチセンターで地域活性事業のプロデューサー、経営企画部中長期戦略室などを経て2011年に飲食情報事業のシンクタンクHPGリサーチセンター(現・外食総研)の初代センター長に就任。計29年在籍の後、2016年に独立し(株)ケイノーツ設立。現在は外食マーケティングのスペシャリストとしてマーケティング、消費者の価値観変化、生産性向上などをテーマに記事執筆、講演活動、フードビジネス関連企業のアドバイザリー・顧問、食のビジネスマッチングなど活動中。










































