
2024.08.05
QSR業界の未来:Taco Bellが音声AI導入!自動化以上の可能性をスタッフと顧客にもたらす
海外飲食DXニュース飲食店での音声AIの用途が明確になりつつあります。
2024年7月31日、ファストフードチェーンのTaco Bell(タコベル)の親会社である「Yum! Brands(ヤム・ブランズ、以下Yum!)」は、同ブランドのドライブスルーに音声AIの導入を発表しました。
さらに、2024年末までにアメリカの数百店舗のドライブスルーに音声AIを導入することを目指しています。
すでに2024年8月現在、アメリカ13州の100以上のTaco Bellで音声AIを導入し、テストを行っているそうです。
音声AIの導入は、他のQSR(クイックサービスレストラン)でも広がっており、活用法のノウハウも蓄積されてきています。
もちろん、音声AIはまだ発展途上の技術ですが、扱い方を理解すれば十分な効果が期待できるレベルに達しているといえるでしょう。
また、待ち時間の短縮や顧客体験の向上などの利便性だけでなく、音声AIに愛着が湧く可能性も示唆されています。
いずれは、店のスタッフの一員として、音声AIを愛称で呼ぶようになるかもしれません。
世界中のチェーン店に音声AIの導入を目指す

今回の本格的な音声AIの導入は、アメリカのTaco Bellで勤務するスタッフのバックオフィス業務の強化と、顧客の注文体験の向上が目的と発表されています。
また、音声AIの導入によって以下のメリットがあると説明しています。
スタッフの業務負荷を軽減
ドライブスルーでの注文精度の向上
一貫性のあるフレンドリーな接客対応の提供
注文客の待ち時間の短縮
Yum!社は、Taco Bell以外にもPizza HutやKFC、The Habit Burger Grillなど有名なフランチャイズを展開する多国籍企業です。
今回の発表に先立ち、Yum!社はTaco Bellのフランチャイズ店からの意見を取り入れ、緊密に連携して音声AIがスタッフと顧客の両方にメリットをもたらすように微調整とテストを2年以上行ってきました。
さらに、この音声AI技術は、デジタルメニューボードと独自のPOSシステムによる「Taco Bellドライブスルー顧客体験エコシステム」で強化されていると説明されています。
加えて、2024年後半には「Taco Bell Rewardsロイヤルティプログラム」も追加される予定です。
これにより、業務負担の軽減や人件費の節約だけでなく、収益性の改善も見込まれています。
また、Yum!社は将来的に世界中に展開しているフランチャイズのドライブスルーに音声AIを導入したいと発表しています。
すでにオーストラリアのKFCのドライブスルーで音声AIをテスト中であり、顧客とスタッフから好評を得ているそうです。
将来的には、Taco Bellに限らず、QSR業界全体で音声AIが必須になるでしょう。
飲食店で用途が広がる音声AI

音声AIの導入は、自動化や省人化するためと見なされがちです。
しかし、音声AIは顧客だけでなく、飲食店のスタッフにとっても一緒に働く仲間となる可能性があります。
例えば、フライドチキンとビスケットを専門とするファストフード店「Bojangles(ボジャングルズ)」では、チームの一員として音声AIを活用していると発表しています。
ユニークなのは、音声AIに「Bo-Linda(ボー・リンダ)」という名前をつけているところです。
そして、Bo-Lindaがドライブスルーでの接客で困ったときに、スタッフに助けを求める仕組みとなっています。
マネージャーやドライブスルー担当のスタッフは、ヘッドセットで顧客との取引を聞いているため、Bo-Lindaが対応できないところからすぐに引き継ぐことが可能です。
つまり、音声AIがスタッフの部下であり、一緒に働く仲間として位置づけられているといえるでしょう。
AIによって仕事が奪われるという認識がありますが、音声AIが人に頼ってくるというポジションを取れば、在り方や捉え方が違って見えます。
そのため、音声AIを単なるドライブスルーや電話注文対応の自動化手段と考えるのは、視野が狭いかもしれません。
飲食店のスタッフ育成にも用途がある音声AI

スタートアップ「Valyant (ヴァリアント)AI」は、ドライブスルーの自動対応サービスに加え、飲食店のスタッフ向けに「AI従業員アシスタント」の提供を予定しています。
このAI従業員アシスタントは、音声AIによるトレーニングプログラムです。
主にスタッフの訓練中や訓練後に、音声AIに質問し、即座に回答を得られるシステムとなっています。
音声で対応可能であるため、スタッフは業務中にヘッドセットなどを用いて「AI従業員アシスタント」に質問し、その場で回答を受け取ることが可能です。
このシステムにより、スタッフの業務の生産性の向上や効率的な新人教育が可能になると期待されています。
すでに一部で試験運用がされており、2024年末までに提供される予定ということです。
このように、音声AIは単なる自動化や省人化の仕組みにとどまらず、活用方法によってはスタッフの業務や労働環境にも大きく貢献ができるでしょう。
Taco Bellが音声AIを導入!QSR業界で浸透が加速

7月31日、Taco Bellの親会社であるYum!社は、ドライブスルーに音声AIを導入することを発表しました。
また、2024年末までにアメリカの数百店舗のTaco Bellに音声AIを導入する予定です。
将来的には、同社は世界中の傘下のフランチャイズのドライブスルーに音声AIの導入を計画しています。
インフレによる物価と人件費の高騰で利益が圧迫されているため、アメリカのQSR業界では音声AIの普及が進んでいます。
ただし、飲食店での音声AIの活用は、単なる自動化や省人化にとどまりません。
一緒に働くスタッフとして仲間意識を持てるポジションや、何でも相談できる相手として音声AIの活用方法が広がっています。
つまり、音声AIは、待ち時間の短縮や顧客体験の向上だけでなく、スタッフにとっても有用な存在になる可能性があるといえるでしょう。
参考サイト
Bojangles Set to Deploy Voice AI in Hundreds of Drive-Thrus - Food On Demand










































