
2024.12.10
「SARAH」による革新的なブロックチェーン「ONIGIRI Chain」が未来の食とヘルスケアの世界を変える<後編>
俺のサービスを聞けメニュー単位での投稿検索に強みをもつグルメアプリ「SARAH」や、食品の企画開発向けデータサービス「FoodDataBank」などを展開する株式会社SARAHが、2024年初にリリースしたのが「ONIGIRI Chain」だ。

こちらは食とヘルスケアに特化したブロックチェーンだが、どんな特徴や強みがあり、食の世界をどう変えていくのか。同社代表の酒井勇也氏に聞いた。(前編はこちら)
プライバシーを保護するカギは二重構造にあり
前編ではSARAH社の各サービス概要と、「ONIGIRI Chain」の独自性や開発経緯などを解説した。その特徴は食とヘルスケアに関するデータを収集/蓄積し、豊富な情報を金融、保険、医療など幅広い分野へ活用できること。
一方で秘匿性の高いデータを管理するため、プライバシーの保護は最優先。そこで「ONIGIRI Chain」では、パブリックチェーンとプライベートチェーンとで保存先をわけ、それぞれにアクセスの制限をかけている。
「ベースとなる『ONIGIRI System』は、パブリックブロックチェーン『ONIGIRI Chain』と、プライベートブロックチェーン『OMOCHI Chain』の二重構造であることが大きな特徴。これにより、プライバシーを守りながら貴重なデータを安全に活用できます」

また、一般的にブロックチェーンにおける取引には「ガス代」と呼ばれる、いわば手数料のようなものがかかるが、「ONIGIRI Chain」においてはかからない。ユーザーの負担が必要ない点も、強みとなっている。
長期的には保険や医療の領域にも貢献が期待できる
具体的に今後、「ONIGIRI Chain」によってどんなことが実現できるのか。短期的には、サービスや事業者ごとに個別管理されているデータを安全に接続し、ユーザーにシームレスな価値を提供できることだという。
「たとえば地図アプリやグルメアプリにあるお店のブックマーク機能は、多くの人がいくつかのサービスを併用しているでしょう。ただし、それぞれを連携して検索するようなことはできません。それが『ONIGIRI Chain』の世界であれば、『SARAH』で食べた料理データをダイエット用のヘルスアプリに連携するなど、他のサービスで使い回すことができるようになります」そして長期的に見据えているのは、保険や医療、製薬といった領域における価値提供だ。

「たとえば、30~40代に○○をよく食べていた、○○な食生活だった人は70~80代になった際に○○な病気になりやすい、という分析ができるようになるでしょう。こうした研究はこれまで、喫煙や飲酒の歴などが中心でしたが、そこに食生活という観点を取り入れられるのではないかと思います」酒井氏が以前、医療保険の業界人にヒアリングしたところ、意外にも健康状態と食生活との関連性は、積極的に取り扱われていないのだとか。
「なぜなら、長期にわたる食生活のデータがないからなんです。どんな食材を使ってどんな料理を食べてきたかというデータは、自主的に記録してきた方や長期入院、大掛かりな治験といった例外を除き、基本的には存在しないですよね。
一方でデータの蓄積によって研究成果がそろえば、トマトを週2回のペースで食べている方は保険料が下がります、みたいなケースも考えられますし、カルテに導入されてより適切な治療が受けられたり、○○な食生活の方にはAよりもBの薬のほうが効きますといった処方が実現できたりするのではと期待もしています」
データ連携で国内外に新たな価値創造を!
2024年の1月末にリリースした「ONIGIRI Chain」だが、1年弱で「SARAH」や「FoodDataBank」との接続は完了予定。今後はさまざまな事業者と手を取り、サービスの価値を広げていきたいと酒井氏は意気込む。
「これまでの各種サービス連携はリソースもコストも莫大にかかっていましたが、ブロックチェーンであれば圧倒的に簡単かつローコストで可能となります。たとえば『SARAH』の対象は外食と中食ですが、コンビニさんと組めばより中食で何を食べたかというデータが集まりますから、それを新たなレシピや商品開発に生かすこともできるでしょう。データをつなげることで生まれる、新たな価値創造を目指していきたいです」
「SARAH」は60以上の国で利用されていて、酒井氏自身も海外の業界人とコミュニケーションをとる機会が多い。その中で改めて実感することは、日本が誇る最大の強みは食の領域であるということだ。
「みなさん、日本の食への興味関心は高いですし、私たちの事業も、食文化が豊かな日本ならではの発想だと評価いただいています。近年はゲームやIPなども日本の強みといわれますけど、それ以上のポテンシャルを秘めているのが日本の食だと私は思います。ぜひ、飲食および食品の事業者さんと協力し合って、その強みをもっともっとグローバルに展開していきたいですね」
【前編はこちら】












































