
2024.03.05
いきなり発注をAI任せにするのは怖い/難しい店舗でも導入検討できるサービス「HANZO 発注AIアシスト」の独自性
国内飲食DXニュース飲食店のバックヤード業務をAIで自動化し、業務効率化を実現するクラウドサービス「HANZOシリーズ」。同プラットフォームを開発・運営する株式会社Goals(本社/東京都港区、代表/佐崎 傑)は、新たに日々の発注作業をAIがサポートする「HANZO 発注AIアシスト」の提供を2024年1月から開始しました。
特徴は、AIが行った需要予測から算出された予測消費量や納品スケジュールを、食材や備品の品目ごとに表示するため、発注担当者は店舗にある現在の在庫を確認し、AIが算出したデータを考慮して発注数量を入力するだけで、適正な量の発注を可能にし、在庫の適正化を実現できること。

https://hanzo.goals.co.jp/assist
ではそのうえで、競合サービスとの優位性はどこにあり、今後どのような展望を描いているのでしょうか。Goalsのセールス&マーケティング部門 部門責任者である、吉村太翔(たける)氏へのインタビューをもとに、まとめていきます。
AIと人力のハイブリッドが「HANZO 発注AIアシスト」
「HANZO 発注AIアシスト」の開発背景には、既存の「HANZO 自動発注」があります。こちらは2020年10月にリリースされ、4年目を迎えました。曜日や天候、季節トレンドも加味したAIによる需要予測から、食材の適切な発注量を算出し、自動で発注システムに連携するサービスですが、クライアントによってはAIに発注を任せていく・AIの算出した数値を利用していくためのオペレーション変更を、全店舗一斉に適用することが難しいケースもありました。
そこで、店舗のオペレーションを大きく変更せずとも、最適な発注数量の算出をアシストできればという思いから開発した新サービスが「HANZO 発注AIアシスト」です。より具体的には、企業の業態やオペレーション、店舗数の規模などによって「HANZO 自動発注」の導入が難しい場合に重宝するサービスが「HANZO 発注AIアシスト」といえるでしょう。

Goalsの吉村太翔氏。
近しい例を挙げるとすれば、クルマの自動運転。AIによる自動運転が「HANZO 自動発注」であり、AIと共存してサポートを受けながら、メインの運転は人の手で行うハイブリット型が「HANZO 発注AIアシスト」というイメージです。
「HANZO 発注AIアシスト」の独自性は、既存の「HANZO 自動発注」の強みでもある、動的な需要予測がひとつ挙げられます。通常は、売り上げから予測される数字を手動入力したり、予算から算出したり、過去の平均値から割り出したり、といったケースが多いでしょう。
しかしそれらの場合、季節性指数や直近のトレンドに左右されるような細かい部分がキャッチできず、値にズレが出てしまうことも少なくありません。その点「HANZO 発注AIアシスト」は統計学習AIを使ってアプローチするので、季節性やトレンドもダイナミックに捉えて需要予測ができる。この優位性が、最も特徴的であるといえます。
「2024年問題」によるスケジュール変更にもフレキシブルに対応
では、導入時における発注業務に関しては、どのような革新的メリットを生み出すのでしょうか。端的にいえば、慣れていない人でも適切な発注を実現できる――。この点に尽きます。
アナログな発注業務は、勘や経験が求められる領域といえるでしょう。たとえば、その店舗独自の出数だったりトレンドだったり。また、そもそもの発注業務自体が、慣れて経験を積んでいく仕事です。
その点「HANZO 発注AIアシスト」には動的な需要予測や、発注済み品目の納品スケジュールなど、発注のベースとなる情報がシステムに入っているので、勘や経験に頼っていたオペレーションを標準化していけるようになります。

「HANZO 発注AIアシスト」の画面一例。予測消費量と納品予定を食材や備品の品目ごとに表示する
システムの裏側は、店舗のPOSデータや、売り上げ管理システムなど売上に関するデータを自動連携させるところがひとつのポイント。そこから日々の数値を「HANZOシリーズ」のデータベースに繋ぎ込み、AIが自動的に学習を繰り返しアップデートしていく仕組みとなっています
一般的には前年と同じ月・週・曜日の値や、直近の平均値など予測精度が出づらい従来のルールベースのロジックで計算するところを、「HANZOシリーズ」のシステムではその再学習を毎日実施。そのため、トレンドに変化があれば素早くそれを検知し、最も旬で適切な答えの算出ができるのです。
世の中のビッグデータをフル活用できる点は、まさにAIならではの利点。トレンドの例を挙げれば、直近の課題として叫ばれている、物流の「2024年問題」があります。場合によっては、納品フローがこれまでより1日2日遅れるなどの問題が生じ、現場での混乱も予想されるでしょう。
これに対し、「HANZO 発注AIアシスト」であれば一から納品スケジュールなどを自動計算。複雑な発注システムであっても最適解を出すことができ、円滑な店舗オペレーションに寄与します。

仕入れ先ごとの納品スケジュールを表示
進化し続けるHANZOは“永遠のベータ版”
導入する飲食店向けに用意しているサポート体制については、店舗で実際に使えるようにするまでと、稼働後の2つで実施。導入前は、既存の各システムからAIに学習させるためのデータ連携や、店舗のメニューやレシピのデータを取り込むところが初期のポイントとなります。
一方、導入後のサポートも盤石。「業務改善ができたかどうか、効果を出せたのかというディスカッションを交えながらフィードバックを集め、アップデートに反映していくのがモットーです。」と吉村氏は言う。
これらのサポート体制は、「HANZOシリーズ」自体が“永遠のベータ版”であり、常に進化させ続けていきたいというGoalsの想いとリンクしています。そのうえで「HANZO 発注AIアシスト」は、基本的な機能は備わっているものの、リリースしたてであるため、現在は「ここがこうなったらもっといい」といった声をもとに、緊急度や重要度の高い改善から迅速に着手しているとか。
シリーズ全体で早期1万店舗導入を目指す
今後、「HANZO 発注AIアシスト」はどうなっていくのでしょうか。Goalsとしては、今回のリリースにより、クライアントの発注業務に関する選択肢を増やすとともに、間口を広げることが当面の目的でした。その中で今後「HANZO 自動発注」に切り替えたいという顧客に向けて、体制を整えていくことでしょう。
前述した「2024年問題」に加え、外食企業では人手不足や食材原価高騰の課題などの運営課題もあり、バックヤード業務の効率化や適切なコストコントロールは喫緊の課題。Goalsは「HANZOシリーズ」の機能強化・拡充を進め、シリーズ全体として早期1万店舗導入を目指しているそうで、今後も注目です。

中山秀明
フードライター/エディター/フードアナリスト
1980年東京生まれ、埼玉ローカル育ち、東京在住。グルメ、ファッション、カルチャー誌を得意とする編集プロダクションを経て独立し、フードアナリストの資格も取得。内食・外食のトレンドや酒類のカルチャーを得意とし、さまざまな雑誌やウェブメディアで編集と撮影を伴う取材執筆を行っている。そのほかTVや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活動中。












































