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2024.02.19

飲食業界のデータ駆動型経営: 寒い季節の消費者行動とAI予測の活用

海外飲食DXニュース

長年の勘と、AIによるデータ分析の両方を組み合わせて、最も効果的な来客予想が完成します。

2024年2月15日、電子決済サービスを提供するSquare(スクエア)社が2023年第4四半期の飲食業界向けレポートを発表しました。

このレポートでは、寒い季節に朝食のフードデリバリー需要が高まることが注目されています。

もちろん、このようなデータがなくても、長年の経験から勘を培ってきた人は、ある程度の予測が可能でしょう。

しかし、最近ではAIを活用して客数の予測を行う傾向にあります。

将来的に飲食店では、データの収集と分析を行い、顧客の行動パターンの変化を理解して、利益確保につなげるようになるでしょう。

その時は、勘に頼っていた部分をデータ分析で補うのが普通になるかもしれません。

寒い季節は朝食のフードデリバリー需要が高い

引用:Square Q4 2023 Restaurant Industry Report: Consumers Tap Delivery for Breakfast

公開されたレポートでは、フードデリバリーの需要には季節に応じたパターンがあることが明らかになっています。

Square社のレポートは、消費者の支出傾向と飲食業界の賃金から今後のトレンドを調査しており、アメリカ国内で同社と取引関係にある飲食業者のデータが元になっています。

2023年12月時点で、消費者は夕食と同じくらい朝食をフードデリバリーで注文していることがグラフから確認できます。

これは、アメリカ全土でリモートワークが根強いことから、朝食を注文する生活スタイルを選ぶ人が増えているとされています。

特に寒い季節(12~3月)にかけて、消費者はフードデリバリーに頼る傾向が高くなるそうです。

逆に暖かくなる季節は、消費者が外食や屋外での食事を好むため、フードデリバリーの需要が落ち込む傾向があります。

このような傾向は、アメリカだけでなく日本でもデータを集めれば、一定のパターンを見つけだすことが可能です。

パターンがわかれば、経験が必要な長年の勘よりも来客予想がしやすくなり、飲食店の利益確保がしやすくなるでしょう。

経験による来客予想から飲食DXのAIツールで来客予測

前述したSquare社のレポートのような内容が公開されても、飲食店が参考にできるのは部分的です。

寒い季節に朝食のフードデリバリー需要の高まりが認識できても、利用するには季節が一巡するまで待たないといけません。

また、全体的な傾向がわかっていても、自分の店の具体的な行動判断や対策は別問題です。

こういった場面でAIを活用すれば、内部・外部要因のデータに基づいた高精度な来客予測を行うことが可能です。

AIが分析する内部と外部要因の主なデータを列挙すると、以下のとおりです。

  • 過去の来店数や売上高

  • 時間帯ごとの客数

  • 天気情報

  • 祝日カレンダー

  • 地域のイベントスケジュール

これらのデータをインプットしてやれば、パターンや傾向をAIが分析し、高精度な来客予測が可能です。

さらに、継続的にデータを追加・アップデートすれば、予測精度がさらに向上していきます。

精度の高い来客予測ができれば、飲食店は食材の適正在庫(フードロスの回避)や人員配置の最適化(人件費の削減)が可能になり、利益確保がしやすくなるでしょう。

アメリカの飲食店はAIへの投資に前向き

管理ソフトを提供するSaaS企業「Restaurant365」(以下、R365)が実施した調査によると、アメリカの飲食店はAI売上予測やマーケティング、販売ツールへの投資を計画しています。

この調査結果は、2023年12月19日に発表され、対象はQSR(クイックサービス・レストラン)やファストカジュアル、高級レストランを含む約5,500ヵ所のレストラン経営者が対象でした。

調査では、2023年と2024年の課題や展望、AI、マーケティング、福利厚生への投資計画に焦点を絞っています。

前述したように、アメリカの飲食店はAIやマーケティングに積極的に資金を投入しています。

もちろん、どのAIツールが大きな成果を出すかは未確定です。

しかし、調査対象となったR365の顧客41%がAI売上予測とスケジュール管理に投資する予定であると回答。

その他の33%がAIを活用したゲストマーケティングを展開する予定だそうです。

したがって、2024年はアメリカの飲食業界では、AIツールへの投資が加速すると言えます。

勘頼りの来客予想からAIツールによるデータ分析

2月15日、Square社が2023年第4四半期の飲食業界レポートを公開し、寒い季節は朝食のフードデリバリーの需要が高いことが明らかになりました。

このような全体の傾向分析は、飲食店の利益を高めるのに役立ちます。

また、AIツールやデータ利用を通じて、来客予想を経験による勘に頼っていた部分をより数値での判断が可能になりつつあります。

このようなツールの活用によって、機会損失の回避や利益追求をしやすい環境を整えることが可能です。

いずれ、これらのツールが店舗ビジネスの基本的なインフラとして位置づけられる可能性も考えられます。

しかし、インフラ化すれば、誰でも安く簡単に使えるようになり、AIに依存する人と、使いこなす人に分かれるはずです。

その時に、実際の顧客の流れを見ながら、経験に基づいた勘とAIによるデータ分析の両方を組み合わせる店が最も効果的な来客予測ができるのではないでしょうか。

原文

Square Q4 2023 Restaurant Industry Report: Consumers Tap Delivery for Breakfast

Restaurant365's Annual State of the Industry Survey Shows 57% of Restaurants Are Planning to Expand in 2024

前田淳一郎

グラフィック制作カタパルト

代表

1983年岐阜県生まれ。プログラマー、整備士、物流と転職し、日本橋で寿司職人の世界に入り、立ち食い寿司屋の店長になる。原価の高いをいわれる寿司で、原価調整と材料管理を徹底し、原価を平均25~30%に抑える。その後カナダで移民に挑戦し、現地の海上コンテナのフォワーダー企業に勤める。帰国後に外資系に勤務。
2020年より、Webライターをしながら世界の新しい「食の常識」を発信中。

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