
2023.06.30
「大衆酒場」の新定義。古い言葉を超えていけ。
酒井慎平の物申す!!こんにちは。今回で第7回目のコラムとなりました。このコラムのためにネタを思いついたらその都度メモを取るようにしているのですが、たいがい1人チビチビと飲んでいる時に思いつく事が多く、行き過ぎた過激なネタは後日ネタ帳から削除している日々です。
提言は良くても悪口になってはダメです。そんなことを胸に銘じながら、今回も脱力して綴っていきます。
読者の皆さんは、最近「酒場」に行っていますか。
さまざまなシーンで私たちの生活に寄り添ってきた「酒場」。それは“酒”が飲める“場”の意味で使われる言葉で、昔、酒屋の店先で飲む酒を居酒ことからできた「居酒屋」よりも広義で使われており、より安価でお酒が楽しめる業態として多種多様なジャンルの酒場が存在しています。
最近では、「大衆酒場ビートル」1号店(東京・蒲田)がオープンした2015年を皮切りに日本は「大衆酒場」の潮流の中で今も奔走しています。
当初、大衆酒場は、客単価1000円台までと値段が安く、料理なども庶民的で気軽に楽しめる雰囲気の酒場を示す言葉ですが、今はかなり手の込んだ料理を出したり、客単価3,000円以上のお店も増加するなど、もっと広い意味合いで使われても良いと感じています。
しかしながら、古い言葉の定義がジャマをして使い勝手が悪い状態になってしまっている今、新しい解釈に更新する必要性を感じています。
例えで名前を出すのは恐縮ですが、「タートル」「酒場アカボシ」「我ー喰う」(株式会社plow運営)の3店舗は、全国から同業者がこぞって視察に訪れるほどの注目店です。
それぞれ客単価は、「酒場アカボシ」が3,000円~4,000円、「タートル」「我ー喰う」は6,000円~8,000円と大きく開きがあります。
「酒場アカボシ」は、軒先に提灯に暖簾、店内には短冊メニューとコの字カウンターとコテコテの大衆酒場です。メニューも、じっくり煮込んだ肉豆腐と、懐かしいポテトサラダといったザ・大衆メニュー。ただ、客単価が3000円前後と、もともとの定義の1,000円台という大台を超えてしまっているため、止む無く「大衆酒場」とは名乗らず「酒場」と謳っていると勝手に思っています。
「我ー喰う」「タートル」は客単価6,000~8,000円ですが、同系列の「酒場アカボシ」のメニューを多数提供しながらも、キラーコンテンツとして生牡蠣を提供し、「タートル」では「銀座 鼓門」の浅倉鼓太郎氏を料理アドバイザーに迎えて、フカヒレなど高級食材をふんだんに使用するなどして客単価が上がっています。
特に、今年2023年2月にオープンした「タートル」の内装は、ポップでカラフルな色使いに仕上がっていて、従来の大衆酒場の地味な色使いとは大きく印象が異なります。しかし、大衆酒場が織りなす“庶民的で気軽に楽しめる雰囲気”を強烈に感じてしまうのです。
ふっと見てみれば、軒先から敷居の無いオープンフロアに、厨房を囲むように構成された使い勝手が良い立ち飲み、カウンター、テーブル席。飾らない無垢な空間に張られたタイルは「大衆酒場」の特徴そのものです。
今の時代「大衆」だからといって「低価格」である必要は無いです。
むしろ、そもそもパブリック(大衆)な場所である「居酒屋」が、時代の変化と共に「酒場」という言葉に置き換わりつつある今、「大衆酒場」に価格の縛りを課す必要は全く無く、むしろ領域を限定してしまったことで、今次々と出現する新ジャンルの大衆酒場に呼び名が与えられずに、広義な言葉を宛がわれているように映っていまいます。
年々、宴会の需要減少、核家族化、感染症などの影響もあって、大人数の飲み会が減る一方で、少人数で誰でも手軽に利用できる大衆酒場はまさに時代に適した業態といえます。
そもそも、酒場は大衆のモノです。
まずは「大衆酒場」の定義を「価格」で縛るのは止めませんか。
そして、庶民的で気軽に楽しめる雰囲気こそ、大衆酒場を堂々と名乗ったら良いのではないでしょうか。



































