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2026.04.02

LINEヤフーが描く、飲食店DXの「次なる一手」とは?モバイルオーダー参入の真意に迫る

国内飲食DXニュース

日本最大のコミュニケーションインフラとして、私たちの生活に欠かせない存在となった「LINE」。今、LINEヤフー株式会社が飲食店業界に向けて、これまでの常識を覆す新たなソリューションを展開しようとしています。今回は、同社で飲食領域のDX推進を牽引してきた富永氏に、インタビューを敢行。飲食店が直面する課題と、それを解決する「未来の形」についてお話を伺いました。

LINEヤフー株式会社 バーティカル統括本部 営業本部 本部長 富永 翔 氏

飲食店が直面する「友だち追加」の壁と、見えにくいROI

多くの飲食店がLINE公式アカウントを導入していますが、現場では常に「友だち追加のオペレーション負荷」と「投資対効果(ROI)の不透明さ」という課題に直面してきました。

「アルバイトスタッフに負荷をかけて友だち追加を促しても、それが本当に再来店や売上に繋がっているのかが見えにくい」という店主様の悩みは切実です。また、これまでのデジタル化は「ツールを導入すること」自体が目的になりがちで、店舗運営の全体最適化まで踏み込めていない現状がありました。

モバイルオーダーとLINEミニアプリが生み出す「自動化」の魔法

LINEヤフーが提供する新たな解決策の核となるのが、「モバイルオーダーの自社プロダクト展開」です。

1. 「自然に友だちが増える」仕組みの構築

これまではスタッフの努力に依存していた友だち追加が、モバイルオーダーという「注文プロセス」に組み込まれることで自動化されます。お客様が自分のスマートフォンで注文するだけで、店舗とお客様がデジタルで繋がる。この「無理のない動線」が、店舗のマーケティング基盤を劇的に強化します。

2. 生成AI時代の検索に対応する「露出の最大化」

これからの時代、お客様は従来の検索エンジンだけでなく、生成AIに「今日のランチのおすすめ」を尋ねるようになります。LINEヤフーでは今後、飲食店向けに限らず、LINE公式アカウントにAIエージェントインターフェイスを実装し、接客、購買/予約、サービス提供、カスタマーサポートなど行う「ブランドエージェント」を提供する予定です。この実装により、ユーザーひとり一人に寄り添った店舗の提案ができる世界を目指しています。

3. プラットフォーマーとしての強力な後押し

富永氏は「LINEがやるなら、いよいよ本気でDXに取り組まなければ」という業界全体の機運醸成を目指しています。自社プロダクトのみならず、多くのテックパートナーと連携し、飲食店がそれぞれの規模やニーズに合った最適なツールを選べるエコシステム(共生圏)を広げています。

テクノロジーは「おもてなし」を加速させるために

インタビューの中で富永氏は、地方店舗のリアルな視点にも触れました。「12席ほどの、声がすぐ届くお店にモバイルオーダーは不要かもしれない。大切なのはオーバースペックな武装ではなく、その店にとって本当に必要な『筋肉』を見極めること」だと説きます。

LINEヤフーが提供するのは、単なる「注文ツール」ではありません。デジタルで煩雑な事務作業や集客の不安を解消し、飲食店が本来の価値である「料理」や「接客」という、人間にしかできないおもてなしに集中できる環境です。

山澤修平

一般社団法人レストランテック協会

代表理事

1980年北海道生まれ。携帯電話販社大手「コネクシオ株式会社」にて、営業戦略など様々な業務に携わり、その後、農業ITベンチャー「株式会社ファームノートでCSMの構築、営業拠点の立ち上げを行う。現在は日本最大のレストランテックコミュニティ「RT_Meetup」を主催する一般社団法人レストランテック協会の代表理事、一般社団法人日本飲食業経営審議会の理事、数多くのテックベンダーのセールスマーケティングの顧問業などに従事。全国各地の飲食経営者と生産者とテクノロジー企業をつなげる為、ホテル暮らし中心のアドレスホッパー生活を送っている。著書 同文舘出版「これからの飲食店DXの教科書」(2022年)

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