
2024.02.15
行列店も待ち時間なしに!TableCheck FastPassで飲食店の新収益源を開拓
国内飲食DXニュース2024年2月9日、飲食店の検索・予約アプリを提供する株式会社TableCheckが新サービス「TableCheck FastPass」の提供開始を発表しました。
発表された「TableCheck FastPass」は、手数料を支払うことで人気店の行列に並ばずに済む優先案内サービスです。
このサービスを導入すれば飲食店に新しい収入源が確保できます。
今回の発表では、時間帯や地域などの条件によって値段を変えるダイナミックプライシングについてトークセッションも実施されました。
3人の登壇者を交えてダイナミックプライシングの普及への課題と、日本の飲食業界の新しい値付けに関する方向性が話し合われています。
有料優先案内サービス「TableCheck FastPass」

画像引用:「TableCheck FastPass」提供開始
株式会社TableCheckの代表取締役社長CEOである谷口優氏が新サービス「TableCheck FastPassの提供開始を銀座にある同社東京オフィスで発表しました。
「TableCheck FastPass」は、予約の際に手数料を負担することで飲食店の行列に並ばずに済む優先案内サービスです。
このサービスにより、行列のできる人気店でも長時間並ばずに食事を楽しめます。
利用対象者としては、時間に限りがある訪日客や旅行客、より来店意欲の高い層を想定しています。
日本の飲食業界では、昨今の仕入れ値や人件費が高騰する中で見合った値上げができていない店が大半を占めます。
理由は、価格を上げることによる客離れのリスクです。
しかし、日本食を求める訪日旅行客が増え続け、来店する顧客の行動パターンにも変化が起き、ネット予約の利用が顕著になりつつあります。
そのため、値上げのできない飲食店に、新たな収益源を提供して収益構造を改善するのも狙いの一つです。
同社は、「TableCheck FastPass」を年内に300店舗への導入を目標としています。
「TableCheck FastPass」の導入が想定されている飲食店は、高級店ではなくリーズナブルで人気のある店です。
そのため、ラーメン店が先行導入事例に選ばれています。
TableCheck FastPassを先行導入したラーメン店

「TableCheck FastPass」を先行導入事例として公開されている6店舗は、いずれもラーメン店です。
追加で支払いが発生する「TableCheck FastPass」ですが、導入後の反応は良好であり、店によっては客数を伸ばしています。
「銀座 八五(はちご)」

画像引用:「TableCheck FastPass」提供開始
「TableCheck FastPass」を先行導入した中華そば「銀座 八五(はちご)」では、手数料という形で500円を支払います。
以前は最大6時間待ちという状態だったのが、「TableCheck FastPass」導入後は待ち時間がなくなったことで、顧客満足度が向上し再来店にもつながっているそうです。
「博多ラーメン でぶちゃん」

画像引用:「TableCheck FastPass」提供開始
2024年1月から「TableCheck FastPass」を導入。導入後も客離れは起きず、人気は維持されて同サービスに好感を持たれたと説明しています。
「Japanese Soba Noodles 蔦」

画像引用:「TableCheck FastPass」提供開始
2023年12月、「TableCheck FastPass」を導入。同サービスの利便性の高さで日本人の客数が1.5倍に増えたそうです。
「TableCheck FastPass」の手数料はデポジットではなく店の収益

前述のとおり「TableCheck FastPass」の導入により、同サービス利用客は手数料を支払うことで並ばずに人気店に確実に入店できます。
ただし、この手数料はデポジットのように来店後返金されるわけではなく、店の収益になる仕組みです。
手数料の支払いは、サービスを導入している飲食店の公式予約ページから行います。
優先案内を予約する際にクレジットカード情報を登録、希望日時を選択して必要事項を記入し、手数料を支払います。
ただし、優先案内予約の手数料はキャンセルしても返金されません。そのため、飲食店ではドタキャン防止にも効果を発揮しています。
トークセッション「飲食業界におけるダイナミックプライシングの可能性」

後半のトークセッションでは、日本の飲食業界にダイナミックプライシングを導入する上での課題やビジネスの在り方が話し合われました。
今回のトークセッションの登壇者は以下の3名です。
一般社団法人日本飲食団体連合会 専務理事 髙橋英樹氏
博多ラーメンでぶちゃん 店主 甲斐康太氏
株式会社プライシングスタジオ 代表取締役 高橋嘉尋氏
トークセッションの中で登壇者の3人とも、日本の飲食業界にダイナミックプライシングが普及していくことに前向きな意見を述べていました。
また、以下の3つのトピックについて、それぞれの意見を述べられています。
ダイナミックプライシングは日本の外食市場に普及するか?
ダイナミックプライシングは飲食企業のビジネスモデルをどう変え得るか?
飲食業界におけるダイナミックプライシングの今後の可能性
内容を大まかにまとめたものは以下のとおりです。
ダイナミックプライシングは日本の外食市場に普及するか?
海外では、ダイナミックプライシングは普及しつつあり、日本の飲食店も「一物一価」ではなく「一物多価」を求めていくべき。
日本では、値段を上げていくことに抵抗はあるものの、ダイナミックプライシングという表現を使わないだけで、実際は同じことをしていると説明されていました。
例えば、ランチの時間帯の11時~12時までを割引価格で提供する方法です。
つまり、ゲストが集中する忙しい時は高くなる仕組みが導入されれば、空き時間に行きやすくなります。
だたし、繁忙期に値段が高いなら、閑散期には安くならないとネガティブな意見が多くなる傾向があるそうです。
ホスピタリティ業界は感情産業であることが原因とされます。
しかし、値上げをしても客足が落ちないとわかれば話が変わり、店主の見える景色が変わると述べられています。
つまり、今は値上げに抵抗があったとしても、客足に変化がないと実感が湧けばダイナミックプライシングが普及していく可能性が高いといえるでしょう。
ダイナミックプライシングは飲食企業のビジネスモデルをどう変え得るか?
現在の飲食店は、収益構造が崩壊しており、他店と競合するビジネスからの脱却の必要性が説明されました。
そのためには、競争をしないビジネスへの転換をしないといけない、同時に顧客が何を求めているかの把握も重要ということです。
今回の新サービス「TableCheck FastPass」を導入したラーメン店では、顧客には話題提供にもなり、客離れにはなっていないと説明されています。
また、ネットニュースで値上げに対して騒ぐ層が、実際に来店する層ではないことも、値上げをするうえで考慮することが必要です。
つまり、比較されてお客が来る店ではなく、求めているものを提供する店になる必要があります。
飲食業界におけるダイナミックプライシングの今後の可能性
料理の値段は、注文する人によって変わり、地域や職業、家族構成によって支払える金額が異なります。
顧客が求めるものに対して価格を決めるのが妥当であって、原価から販売価格を考えるのはやめるべきであると述べられました。
ただし、ラーメン屋に関してはダイナミックプライシングの普及が遅れるだろうという見解を甲斐康太氏は持たれています。
理由としては、ラーメン屋の店主が現金支払いを中心にしており、考え方のアップデートができていないという点を指摘。
日本は長年のデフレにより、サービスはタダでするものであり、安く提供するのが重要視されてきており、その考え方が多くの日本人に根づいています。
しかし、値下げをすることは、価値を下げることにつながることを認識しないといけません。
まとめ|ダイナミックプライシング普及のための第一歩「TableCheck FastPass」

2月9日、株式会社TableCheckが優先案内サービスである「TableCheck FastPass」の提供開始を発表しました。
「TableCheck FastPass」は、ネット予約で手数料を支払うと、人気店の行列に並ばずに済むサービスであり、時間に制限のある旅行客なども日本食をより楽しめるようになります。
また、店側は来店意欲の高い層に来店してもらえるメリットがあります。
今回リリースされた「TableCheck FastPass」は、リアルタイムで提供価格を変動させるダイナミックプライシングとは異なります。
しかし、ダイナミックプライシングが普及する前の手前に位置しているサービスといえるでしょう。
値段で競争して客数を伸ばし、値上げできない風潮が続いてきた日本の飲食業界ですが、流れを変える時に来ていると考えるべきではないでしょうか。
参考サイト
アイコン画像引用:「TableCheck FastPass」提供開始












































