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2024.02.05

未来の飲食店経営を変革するItsaCheckmateのダイナミックプライシング

海外飲食DXニュース

一週間前に注文した料理の値段が上がっている!…それでも注文するなら、あなたはその店のファンです。

2024年1月31日、ItsaCheckmate(イツァ・チェックメイト)は、飲食店の収益最適化のために自社プラットフォームの強化を発表しました。

ItsaCheckmateは、オンライン注文プラットフォームを店舗のPOSに直接統合する仕組みを提供しているスタートアップです。

今回のアップデートでは、AIを活用したダイナミックプライシング(動的価格設定)が導入されます。

ダイナミックプライシングは、需要に応じて価格を変動させる方法で、主にホテルや航空業界で使用されています。

同様に、飲食店でも需要や原価に基づいた動的な価格設定が可能となり、今までよりも格段に収益性が向上するでしょう。

時期によって値段が変わることで、常連客を失うように感じるかもしれません。

しかし、閑散期には価格が下がるため、同じサービスを割安で受けられるチャンスも顧客に提供できます。

タイプの異なるダイナミックプライシング機能を追加

ダイナミックプライシング機能を追加

ダイナミックプライシング機能の追加のためItsaCheckmateは、JUICER(ジューサー)とSauce(ソース)と提携しています。

これら2つのスタートアップは、それぞれ異なるタイプのダイナミックプライシング・プラットフォームを提供しています。

JUICERは、市場の需要や食材の原価に基づいてリアルタイムに価格調整が可能なダイナミックプライシングを提供し、飲食店の収益最適化を支援しています。

対してSauceは、原価だけでなく、曜日や注文量の違い、シフトに入るスタッフの数なども考慮して価格を変える仕組みです。

ItsaCheckmateは、この2つのダイナミックプライシングをプラットフォームに追加します。

つまり、原価や需要だけでなく、店舗側のスタッフ数や曜日に対応した的確な価格設定ができるようになるでしょう。

加えてItsaCheckmateのダイナミックプライシングは、顧客体験のパーソナライズ(個別化)にも重点を置いています。

これにより、飲食店の運営効率と顧客満足度、そして収益性を向上させることが期待できます。

ダイナミックプライシング導入はファンが多い飲食店では容易

ダイナミックプライシング導入はファンが多い飲食店では容易

前述のとおり、ダイナミックプライシングによって飲食店の収益性向上が期待できます。

ただし、基本的にファンが多い店でないといけません。

理由はコスパを重視する顧客にはダイナミックプライシングは受けが悪いからです。

ここでは、わかりやすくするため顧客をファンとリピーターの2つに分けて、両者を以下のように仮定して説明します。

  • ファン:店の価値観やスタッフ、料理を支持しており、支出を惜しまない層

  • リピーター:料理の味と価格が見合っているから定期的に来店する層

このように定義すると、常連客にリピーターが多い場合、ダイナミックプライシングで価格が上がる時期は、常連客が店から遠のくでしょう。

反対に、ファンが多い飲食店では収益性が改善します。

一見メリットが少ないように感じますが、ダイナミックプライシングが定着すれば、需要変動が平均化するとされています。

つまり、値段が高い繁忙期でも来店するファンと、価格の下がる閑散期を狙って来店するリピーターに顧客が分かれるわけです。

このため、ダイナミックプライシングを導入する前に、来店している常連客が店のファンか、リピーターか見極めが重要です。

ダイナミックプライシングは妥当な仕組み

ダイナミックプライシングは妥当な仕組み

ダイナミックプライシングが普及すれば、飲食業界全体の収益性が改善します。

特に、仕入れ値が日ごとの市場価格で決まる形で仕入れをしている飲食店では、大変役立つでしょう。

日本には「時価」という価格設定がありました。

時価とは、価格を先に提示せずに、注文が入った時点の仕入れ値から料理の値段を決める方式です。

特に、生鮮食材の市場価格(仕入れ値)は、日ごとに変動するため、売値が定まらないのが普通でした。

そのため、すし屋では「時価」と書かれたメニューがあり、今でも一部の店では使われています。

つまり、ダイナミックプライシングは、新しい仕組みではなく、原価や人件費が日ごとに変わる飲食店では、妥当な仕組みといえるでしょう。

また、顧客の来店するモチベーションを値段や時期によって高めることができるため、割引やプロモーションに過度に依存することなく、来店頻度の改善も期待できます。

最終的には、収益性の向上だけでなく、働く人の待遇改善にもつながるのではないでしょうか。

ダイナミックプライシングで飲食店の収益性が改善

ダイナミックプライシングで飲食店の収益性が改善

1月31日、スタートアップ「ItsaCheckmate」が、自社プラットフォームにダイナミックプライシングの導入を発表しました。

これにより、飲食店はメニューの価格を需要や原価に基づいた動的な価格に調整が可能となります。

同時に、繁忙期と閑散期で同じサービスでも価格が異なることで、常連客の層が分かれるため、必要なスタッフや食材量などのコントロールもしやすくなるでしょう。

つまり、ダイナミックプライシングによって、店舗運営の効率や収益性、顧客満足度の向上が期待できます。

原文

ItsaCheckmate Partners With JUICER and SAUCE To Optimize Restaurant Revenue With Data-Driven Pricing Solutions | Restaurant Magazine

参考サイト

Itsacheckmate - The Center of Your Digital Ordering Business

Announcing Sauce’s Partnership with ItsaCheckmate

ItsaCheckmate Adds Dynamic Pricing Features| Hospitalitytech

前田淳一郎

グラフィック制作カタパルト

代表

1983年岐阜県生まれ。プログラマー、整備士、物流と転職し、日本橋で寿司職人の世界に入り、立ち食い寿司屋の店長になる。原価の高いをいわれる寿司で、原価調整と材料管理を徹底し、原価を平均25~30%に抑える。その後カナダで移民に挑戦し、現地の海上コンテナのフォワーダー企業に勤める。帰国後に外資系に勤務。
2020年より、Webライターをしながら世界の新しい「食の常識」を発信中。

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