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2024.01.26

外食視察の猛者3人が語る繁盛店の共通点<前編>

イベントレポート

2024年1月17、18日に開催された「外食ソリューションEXPO東京2024(居酒屋JAPAN・焼肉ビジネスフェア)」。その初日、レストランテック協会主宰で行われたセミナーが「たくさん飲食店に行きまくっている狂った3人に、繁盛店になる店の共通点を聞いてみた!!2」です。当日は満席かつ立ち見も多かったこのトークセッションを、前・後編のレポートでお届け。今回はその前編となります。(後編はこちら

パネリスト

株式会社dinii
執行役員 営業統括 益子雄児

覆面調査サービス「ファンくる」を事業展開する株式会社ROI(アールオーアイ。現・株式会社ファンくる)の代表取締役を経て、飲食店向けのモバイルオーダー&ID-POS「dinii(ダイニー)」社の執行役員に。客単価5000円以内の店を中心に全国を行脚する。

https://www.facebook.com/ymashiko
https://www.dinii.jp/

フードスタジアム株式会社
編集長 大関まなみ

フードビジネスニュースサイト「フードスタジアム」の編集長。オープンから半年以内の繁盛しそうな店や、1~10店舗目を運営するアーリーステージの外食経営者を中心にインタビュー。週2~3本のペースで記事を掲載している。

https://www.instagram.com/manami_ohzeki/
https://food-stadium.com/

株式会社アプリラボ
代表取締役社長 菅野壮紀

飲食店向けのPOSレジ付き店舗管理システム「K1(けいいち)くん」を開発運営する、アプリラボ社の代表。また、飲食店の接客日本一を決める「S1サーバーグランプリ」等を運営するNPO法人繁盛店への道の理事も務める。行動範囲は全国規模で、海外へ赴くことも。

https://www.facebook.com/kanno.takenori
https://applilab.co.jp/

新店リサーチはSNSが重宝する

コーディネーターは、一般社団法人レストランテック協会の山澤修平代表理事が担当。パネリスト各人の自己紹介を経て、最初のテーマは「具体的な新店舗の検索方法」について。3名とも、最も重宝するのはSNSであることが共通点でした。トーク内容を抜粋して記します。

「僕はFacebookが多いです。特に重宝するのは、つながっている方々が発信する新規開業の投稿。その中から、面白そうだと思ったお店をGoogleマップでピン立てするというスタイルです」(菅野氏)

益子氏も菅野氏同様、自ら営業も行う経営者ならではの、横のつながりが新店舗のキャッチアップになっているそうです。

新オープン店情報は、クライアントや知人からSNSで開業情報を日にちとともに事前告知してもらえるので、その中からスマホのメモ帳にブックマークするような感じですね。ただ、地方はSNSで得られる情報が少なくなる分、現地のクライアントさんなどから直接聞く口コミが役立つかも。その点では東京とそれ以外の地域で違いはあると感じます」(益子氏)

大関氏も、「食べログ」からニューオープンのお店でソートすることはよくあるといいます。そのうえで、さらに早くキャッチできるサイトは求人媒体。

飲食店専門の求人サイトから、ニューオープン募集の形で探すのが特に効果的ですね。あと私はInstagramをよく使うんですけど、お店のアカウントではなく、そのオーナーの個人アカウントを探してフォローするようにしています。というのも、オーナーの場合はそのお店のスタッフさんや同業の方とつながっているケースが多いから。もし次のお店を開業したり、スタッフさんが独立したりという際に、その情報を拾えるんです」(大関氏)

高単価な店は敬遠しがち。写真も重要

では、発見した店に行く・行かないの判断はどのような観点で決めているのでしょうか。益子氏の場合、ひとつは客単価にあるといいます。

「なるべく多くのお店に行きたいので、高単価すぎるお店は遠慮しがちですね。また、高単価なお店はコースがメインのお店も多く、そうなると1軒で満腹になってしまいますから。基本的にはクライアントや知人のお店が優先で、2、3軒目にそれ以外の気になるお店に行くというケースが多いです」(益子氏)

メディアを運営する立場の大関氏は、「フードスタジアム」の媒体方針や読者層とマッチしているかどうかがひとつの判断基準になるとのことでした。

「ニューオープンの場合、新しければ新しいほど行きたくなりますね。あとは運営企業の規模にもよります。たとえば、アップされている画像がプロのカメラマンが撮った広告のような写真の場合、資本のある会社さんがやっているのかなということで、取材対象からは離れてきますね。逆にSNSに情報が少なくて写真も上手じゃないけど、雰囲気や料理がよさそうなお店は今後のポテンシャルが高そうな雰囲気がして、行きたくなります」(大関氏)

写真に関しては益子氏も一言。1970年代生まれの自分としては、写真映えを訴求しすぎている店舗は選択肢から外れがちだと話しました。

トレンドやニーズをとらえる先見性が大切

では、各パネリストがおすすめする店舗とは? トップバッターは益子氏。1軒目に選んだのは「広州市場」です。

益子氏のオススメのお店(1)

「ここはワンタン麺専門店で、ランチに行列ができるほど人気です。で、夜はワンタン主体の酒場展開もしており、ワンタンはバリエーションも多く、飽きさせない工夫も含めて可能性を感じました。餃子や焼売をウリにする酒場が近年ブレイクしましたが、ワンタン酒場はまだ数が多くないので今後のポテンシャルが高いと思います」(益子氏)

手包わんたん麺 広州市場
https://www.kosyuichiba.com/

大関氏のオススメのお店(1)

大関氏は2022年開業の中目黒「風見堂」をセレクト。「ワンオペ酒場のお手本」だといいます。

「店主ひとりで回せるメニュー構成ですが、つくり置きの冷菜だけではなく春巻などの温菜も豊富。そのうえで『ひとり飲みしやすいお店』という点をアピールしてるんですね。そのニーズをとらえ、いつも繁盛しています」(大関氏)

風味堂
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131701/13274251/

菅野氏のオススメのお店(1)

菅野氏は数店舗を展開する飲食店から、おすすめを3ブランドチョイス。

「まずは『スパゲッティーのパンチョ』。パンチがあるのに、また食べたくなる商品力がスゴいです。次は『串屋横丁』。社長の生家が精肉店だったことから、今では養豚、加工、配送と自社運営しているので鮮度とコストパフォーマンスが圧倒的です。そして『大衆酒場ビートル』。こちらは昨今の大衆酒場ブームのパイオニアだと思っており、先駆者ならではのトータルな世界観やメニュー構成が素晴らしいですね」(菅野氏)

スパゲティのパンチョ
https://naporitanpancho.com/

串屋横丁
http://dreamersgroup.jp/shop/index.html

大衆酒場ビートル(プロダクトオブタイム社)
https://productoftime.co.jp/

もちろん、各パネリストがおすすめする店舗には地方にも。この続きや、繁盛する店の共通点については後編でお伝えしていきます。

中山秀明

フードライター/エディター/フードアナリスト

1980年東京生まれ、埼玉ローカル育ち、東京在住。グルメ、ファッション、カルチャー誌を得意とする編集プロダクションを経て独立し、フードアナリストの資格も取得。内食・外食のトレンドや酒類のカルチャーを得意とし、さまざまな雑誌やウェブメディアで編集と撮影を伴う取材執筆を行っている。そのほかTVや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活動中。

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