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2024.11.06

【竹田クニ】レストランテックの更なる浸透に重要  テクノロジーに馴染めない消費者にどう寄り添えるか?

竹田クニのインサイト

残念ながら、デジタル化で成果が出ないケースが散見されます。
色々なケースがありますが、その原因・理由が「デジタルツールそのもの」ではないのにも関わらず…
♪デジタル化したけど上手くいかない・・・みたいに語られるケースもありますよね。

デジタル化の成果は、現場の様々なアナログなオペレーションを含めた総合的なものと考えられますが、
“マイナスの事例“から学ぶことも大いにヒントになるのではないでしょうか?

デジタル券売機で大混乱のラーメン店

東京都心に新たにオープンしたラーメン店。
80年代に人気に火が付いたこのラーメン店は、シニア層にファンが多く、都内にある数店舗は何処も賑わっています。

現金券売機→デジタル券売機にチェンジ

もともと現金のみの券売機を運用していた同店ですが、新店オープンにともない現金&キャッシュレス併用のデジタル券売機にチェンジ。
しかしながらコレで大混乱が起きていました。

操作に戸惑う人多く、時間がかかっている

それは・・・

  • webサイト的にタブで分かれる画面構成が理解できず、トッピングや大盛、サイドメニューのありかがわからない

  • 画面にタッチする操作がおぼつかなく、旧来型のボタンを“押す“感覚で強くor長く押してしまい、機械が反応しない、反応しないことに気づかず「・・・なんで動かないの?」と戸惑う

  • 商品を選んだ後に、支払方法を選ぶ前に、「発券する」ボタンを押してしまい、「・・・反応しないんですけど(怒)」 と言う人

50歳代以上の客が非常に多く、券売機操作に時間がかかり、長い列になってしまいます。
これも現実なんですね・・・。

レストランテックに関わる仕事をしている人には考えられないですが、世の中のマジョリティーって“こういうもの”なのかもしれません。
客も結構イライラしながら券売機で“まごついている“客を白い目で見ています(笑)

顧客体験価値向上、効率化・・・には今のところ至っていないと言えます。

アナログにも課題が?!

店舗の設計にも課題を感じました。
下記が、この店のレイアウト図

ぶつかってしまう“導線” 来店客と退店客が交錯する

入店してスグ右に券売機があるのですが、券売機とカウンターの間は約70㎝しかなく、券売機を操作している人が居ると人が通れないんです・・・(驚!)

だから奥側の席(奥側のほうが席数も多い)の出入りが、この“スエズ運河”のごとき券売機前で完全にぶつかってしまうのであります。

従業員体験価値にも影響?

繁盛店ですからひっきりなしにお客さんは来ます。
でも、そこで・・・

  •  機械が反応しない、操作がわからない

  •  釣銭切れ ←現金客も多いので想定される

従業員が頻繁にこれらの対応をするとなると、従業員さんの不満も溜まるかもしれません。

 誤解を恐れず言えば、ラーメン店のように稼働で稼ぐタイプのカジュアル店では、現場スタッフが「生産性向上」や「顧客体験価値」について意識が高い、課題意識を持っている・・・ということは多くないかと思います。
良いとか悪いとかではなく、こうしたお店で働く彼らは、それだけシンプルなオペレーションをしっかり回せることが仕事です。

今回のようなケースで起きがちなのは

  • ウチの店、デジタル券売機入れたけどかえって面倒

  • お客さんからもあんまり評判良くない・・・

こうしたネガティブな声がスタッフから店長から上がることは想定されます。
こうしたデジタル化が上手くいかない事例から、私たちは学ぶ必要があります。

消費者に“寄り添える“デジタルでありたい

アナログとデジタルは“両輪の“ソリューション

今回のケースの問題点をまとめると…

  •  デジタルが苦手な客層が比較的多く含まれることによる混乱

  •  客席レイアウトが悪く、客の導線がぶつかってしまい滞留する

この2点に集約されます。

これら両方の問題を「客の立場に立って」、解決策を考えることがベンダーにとっても大切と言えるでしょう。

 お客様にどう“寄り添えるか”?

今回のケースでは、シニア層が多く来店し、慣れないデジタル券売機の操作に手間取ってしまう…と言う問題が大きい。

世の中の世代交代が進めば、デジタルが苦手な人は減っていく…、という時間の問題と考える人も居るとは思いますが、
外食産業は様々な年代・世代の方が来店する産業。デジタルが苦手な人が敬遠してしまうような店舗運営は避けねばなりません。「苦手な人にもどう寄り添えるか?」は、今後のレストランテック進化に非常に重要なテーマと考えます。

寄り添う技術

「リモート接客」や「アバター接客」、「接客ロボット」など、意欲的な飲食店が実証的に取り組んでいます。

オンライン接客、AI使用したアバター接客など可能性が広がる                      

写真:モスバーガーで導入した接客ロボット「ORIHIME」

こうした取り組みが、デジタル弱者にもやさしい環境を創り出すことが、レストランテックの浸透と進化に必要ですね。

デジタルが人の仕事の「代替」だけではなく、人の能力の「拡張」「補完」そして、人を「支援」「サポート」出来るやさしい、寄り添うものとして進化することが期待されます。

竹田クニ

株式会社ケイノーツ

代表取締役

早稲田大学商学部卒業後、1988年株式会社リクルート入社。HR事業、旅行情報事業の営業部長、じゃらんリサーチセンターで地域活性事業のプロデューサー、経営企画部中長期戦略室などを経て2011年に飲食情報事業のシンクタンクHPGリサーチセンター(現・外食総研)の初代センター長に就任。計29年在籍の後、2016年に独立し(株)ケイノーツ設立。現在は外食マーケティングのスペシャリストとしてマーケティング、消費者の価値観変化、生産性向上などをテーマに記事執筆、講演活動、フードビジネス関連企業のアドバイザリー・顧問、食のビジネスマッチングなど活動中。

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