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2022.09.27

Chipotleは顧客体験の向上と業務効率化に向けて2つのテクノロジーの試験導入を発表

海外飲食DXニュース

今までの飲食店では注文が殺到するとキッチンは忙しくなり、待ち時間は長くなるのが当たり前でした。

しかし、これからのファストフードやクイックサービスレストランでは、待ち時間がないのが当たり前になるかもしれません。

2022年9月27日、アメリカを中心に展開するChipotle Mexican Grill(チポトレ・メキシカン・グリル:以後Chipotle)は、顧客満足度を上げるために2つの仕組みを試験導入すると発表しました。

試験導入されるのは「キッチン管理システム」と「アプリ改善プログラム」です。

この2つを組み合わせることで、スタッフの作業負担を軽減し、顧客の待ち時間を短縮するのが目的です。

予測技術を活用しキッチンスタッフと顧客の両方が得するプログラム

出典:Mexican Food - Restaurant & Catering - Chipotle Mexican Grill

Chipotleが試験導入するのは、AI搭載の「キッチン管理」と位置情報を活用した「アプリ改善プログラム」です。

最初のAI搭載の「キッチン管理」では、キッチン内でどの食材がいつ、どれだけ必要になるかを予測することで、作業と食品の無駄を最小限に抑えることを目的としています。

もう1つの「アプリ改善プログラム」は、アプリを通じて顧客の位置情報を取得し、待ち時間をほぼゼロにして、より快適な顧客体験を提供する試みです。

この試験導入によって、Chipotleは効率的な店舗内のオペレーションと顧客体験の向上の両立を図ります。

今回の試験導入は、南カリフォルニアの8店舗で実施され、良好な結果が出たらChipotleが展開する全世界の約1,800店舗にも導入されるかもしれません。

PreciTaste のAI搭載キッチン管理システム

PreciTaste のAI搭載キッチン管理システム

出典:Mexican Food - Restaurant & Catering - Chipotle Mexican Grill

キッチンに導入されるのは、PreciTaste (プレシ・テイスト)が開発したAI搭載キッチン管理システムです。

このシステムは、天井に設置されたカメラから食材をリアルタイムで監視し、適切な仕込み量や調理開始のタイミングを端末に通知します。

その結果、キッチンスタッフは最適なタイミングで適量の仕込みや調理を行えます。

これにより、スタッフの作業量の無駄が削減され、同時に余って廃棄されていた食材も少なくできるというメリットがあります。

このシステムを提供しているPreciTasteは、2022年8月にシリーズAの資金調達で2,500万ドル(約36億円)を確保したばかりのスタートアップです。

提供しているキッチン管理システムは、機械学習とAIを使用して効率的なキッチンオペレーションを実現します。

具体的には、食材の鮮度や在庫量をチェックし、調理開始と食材の準備のタイミングと量を表示します。

その結果、より少ない人員でキッチン業務がこなせるようになり、高い効率的なキッチンオペレーションが実現できるでしょう。

アプリ改善のプログラム「contextual restaurant experience」

アプリ改善プログラム「Contextual Restaurant Experience(コンテクチャル・レストラン・エクスペリエンス)」は、Chipotleが提供するアプリを通じて顧客の位置情報を活用して、ストレスのない顧客体験を提供します。

このプログラムによってスタッフと顧客、両方の時間が節約できます。

試験導入されるのは今回が初めてではなく、オハイオ州クリーブランドなどで既にテストが行われているそうです。

このプログラムには、ロケーションテクノロジー企業Radius Networksの「Flybuy」が採用されています。

Flybuyにより、Chipotleのアプリを利用している顧客がレストランに一定以上近づくと、店舗の端末に表示され、スタッフが顧客を認識できます。

そこで、アプリから注文された食品を用意しておけば、顧客は店に到着と同時に注文の受け取りができるというものです。

また、顧客はアプリから注文した食品の準備完了の通知や、最短でピックアップできる場所を見つけることもできます。

このプログラムの基礎となるFlybuyは、KFCやApplebee'sにも導入が進んでいるそうです。

Flybuyの普及が進めば、待ち時間がほぼないテイクアウトやドライブスルーが実現するでしょう。

2つのシステムでスタッフと顧客の両方にメリットをもたらす

出典:Mexican Food - Restaurant & Catering - Chipotle Mexican Grill

9月27日Chipotleは、キッチン管理システムとアプリ改善プログラムを試験導入すると発表しました。

試験導入される2つの仕組みにより、キッチンのオペレーションや食材の在庫が管理され、顧客には待ち時間がほぼゼロになる顧客体験が提供できます。

この2つ仕組みの導入が進めば、キッチンが注文で大慌てになることもなく、利用客は待たされずに注文を受け取れるようになるでしょう。

Chipotleは日本には未上陸ですが、仕組みだけでも導入する大手企業がでてくる可能性があります。

原典

CHIPOTLE PILOTS ADVANCED TECHNOLOGY TO ENHANCE THE EMPLOYEE AND GUEST EXPERIENCE - Sep 27 2022

参考サイト

Chipotle tests forecasting tech to ensure guests never have to wait for workers to cook more steak

アイコン画像出典:CHIPOTLE PILOTS ADVANCED TECHNOLOGY TO ENHANCE THE EMPLOYEE AND GUEST EXPERIENCE - Sep 27 2022

前田淳一郎

グラフィック制作カタパルト

代表

1983年岐阜県生まれ。プログラマー、整備士、物流と転職し、日本橋で寿司職人の世界に入り、立ち食い寿司屋の店長になる。原価の高いをいわれる寿司で、原価調整と材料管理を徹底し、原価を平均25~30%に抑える。その後カナダで移民に挑戦し、現地の海上コンテナのフォワーダー企業に勤める。帰国後に外資系に勤務。
2020年より、Webライターをしながら世界の新しい「食の常識」を発信中。

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