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2024.04.22

接客と省人化のバランス:ファイサーブ社のクローバー・キオスクで見る自動化のメリットと課題

海外飲食DXニュース

効率を最優先にする店には便利なツールですが、接客サービスを含めた快適な時間を提供したい店主には無用の長物と感じるはずです。

2024年4月17日、決済サービスを提供するFiserv(ファイサーブ)社は、飲食店向けにセルフ決済端末「Clover Kiosk(クローバー・キオスク)」を発表しました。

この端末を使用すると、注文と決済を顧客が自身で行うため、働くスタッフの業務負担が軽減されます。

また、同社から提供されているKDS(キッチン・ディスプレイ・システム)との統合も可能です。

したがって、Fiserv社のClover KioskとKDSを連携させると、入店した顧客は注文を直接キッチンに送信できるため、エンドツーエンドで飲食店の業務全般が合理化されます。

手軽さや便利さを求める層には、顧客体験の向上も期待できるでしょう。

Clover Kioskで顧客自ら注文と決済が可能

Clover Kioskで顧客自ら注文と決済が可能

Fiserv社が発表したClover Kiosk(クローバー・キオスク)は、券売機のデジタルバージョンとも表現できるセルフ決済端末です。

24インチ(約60cm)のタッチスクリーンと、8インチ(約20cm)の決済端末、内蔵プリンタを備えて、使いやすさも考慮されているそうです。

顧客が自分のペースでメニューを閲覧し、注文をカスタマイズして決済ができるため、注文ミスの防止や接客スタッフの業務負担が軽減されるメリットがあります。

また、Fiserv社が提供しているKDSと連携できるため、Clover Kioskからダイレクトにキッチンに注文情報を送信し、ディスプレイ表示が可能です。

これにより、券売機で注文するようなチケットのやり取りが不要となり、人を介さない注文処理で業務が円滑化するでしょう。

画像引用:Fiserv Meets Growing Appetite for Self-Service Technology in the Restaurant Industry with Launch of Clover Kiosk

特に、便利さと気軽さを重視するQSR(クイック・サービス・レストラン)では、有用な仕組みといえます。

リピーター獲得にも一定の効果が期待できるのではないでしょうか。

Fiserv社は、Clover Kioskを自社製品と統合できるように設計しつつ、競合他社よりも最大40%のコスト削減をしていると発表しています。

したがって、すでにFiserv社の製品を導入している飲食店では、今回発表されたClover Kioskを割安で導入をしつつ、業務の効率化が実現するでしょう。

セルフサービス用のソリューションに注目と資金が集まる

セルフサービス用のソリューションに注目と資金が集まる

アメリカの飲食業界では、セルフサービス用のソリューションに資金と注目が集まりつつあります。

4月9日、セルフサービスのソリューションを提供するスタートアップ「Bite(バイト)」がシリーズA資金調達で900万ドル(約13億8900万円)を確保しました。

Biteの提供するセルフサービスの仕組みは、飲食店の売上を増やしつつ、人件費も管理できるように設計されています。

この資金調達は、コストの上昇が続く中で、効率的な運営をしたい飲食店事業者からの関心が高まっているという背景があります。

パンデミック(新型コロナウイルス感染症の拡大)後、アメリカの飲食業界は労働力不足と賃金の上昇、インフレなど対処しなければならない課題が増加しました。

そのため、コスト削減や確保の難しいスタッフの業務負担の軽減、円滑な注文のためにセルフ決済端末を含めたソリューションに強い関心が寄せられています。

このような背景から、注文ミスの抑制や待ち時間の短縮といったメリットだけでなく、店舗運営を行っていくうえでセルフサービス用のソリューションがインフラ化しつつあるといえるかもしれません。

デジタルツールの過剰投入は飲食店を自販機にする

デジタルツールの過剰投入は飲食店を自販機にする

ここで注意したいのが、デジタル化や自動化が過度になると、飲食店が自動販売機のようになってしまうため、常連客の満足度が低下し、客離れが起きるリスクがあることです。

日本でも、券売機など顧客が自ら注文と決済を行う仕組みを目にする機会が増えてきました。

確かに、セルフサービス用のソリューションが普及すれば、接客業務の負担が軽減されます。

しかし、デジタル化により、飲食店での個人的なサービスや機転を利かせる余地がなくなってきている点にも注目しないといけません。

サービスに重点を置いた個人の飲食店や高級店では、セルフサービス用のソリューションの導入は逆効果になります。

また、顧客がスタッフや店主のキャラクターやフレンドリーさを求めて来店しているケースも同様です。

つまり、単に便利だからデジタル化や自動化をするのではなく、店が提供しているのは何であるかを突き詰める必要があります。

顧客が求めているのは、料理だけなのか、店全体のサービス体験を求めて利用しているのかの判断がより重要になってきていると言えるのではないでしょうか。

Clover Kioskの導入で飲食店の業務負担を軽減

Clover Kioskの導入で飲食店の業務負担を軽減

4月17日、Fiserv社が新しくセルフ決済端末「Clover Kiosk」を発表しました。

タッチスクリーンから顧客自身でメニューを選んで決済を行うため、業務負担の軽減と店舗運営が円滑化されます。

同社が提供しているKDSと統合もできるため、顧客が注文をキッチンに直接送信が可能なエンドツーエンドのソリューションにもなります。

アメリカでは、セルフサービスのソリューションに注目や資金が集まってきており、店舗運営がさらに省人化、デジタル化が進みそうです。

しかし、食べたい物をタップして、待っていると料理が出てくる仕組みは、飲食店を大きな自動販売機のような存在にしてしまうリスクがあります。

そのため、顧客が求めているものがコスパなのか、接客サービスを含めて来店されているのか、便利な仕組みを導入する前に吟味が必要です。

参考サイト

Fiserv Meets Growing Appetite for Self-Service Technology in the Restaurant Industry with Launch of Clover Kiosk

News - Bite

前田淳一郎

グラフィック制作カタパルト

代表

1983年岐阜県生まれ。プログラマー、整備士、物流と転職し、日本橋で寿司職人の世界に入り、立ち食い寿司屋の店長になる。原価の高いをいわれる寿司で、原価調整と材料管理を徹底し、原価を平均25~30%に抑える。その後カナダで移民に挑戦し、現地の海上コンテナのフォワーダー企業に勤める。帰国後に外資系に勤務。
2020年より、Webライターをしながら世界の新しい「食の常識」を発信中。

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