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2023.06.23

価値は、考えるな、感じろ。

酒井慎平の物申す!!

 こんにちは。第6回目のコラムとなりました。今回は、私個人の想いを綴ってみようと思います。というのも、じつは毎回コラムを執筆する上で、いくつか意識している事があり、今回お伝えしたい内容と重なっている点があったので、少し堅苦しいかもしれませんがご紹介します。

 このコラム「事実」を書かないようにしています。

 決していい加減という意味ではありませんよ。もちろんコラムを書くうえで、なるべく間違った情報は発信しないように心がけていますが、ただ単に私が「事実」を発信しても意味が無いので書かないよう心掛けています。

 もう少し噛み砕くと、どんな情報もスマホで検索すれば出てくる時代で、私個人が精密機械のように取材、執筆、編集、掲載といった体裁を整える一連の儀式を行ったとしても、無数に広がる情報の渦に小石を投げ込むようなものでほとんど意味がありません。ましてやAIの進化が著しく、人間が事実を語る時代は終わりを告げました。

 私は「私の真実」を表現するように心がけて執筆しています。

 言葉には様々な意味がありますが、この場では「事実」は実際に起きた事柄、「真実」はその事柄に対する解釈という意味とします。

 つまり私の体験に基づいた解釈は、私にとっての真実です。その解釈は、たとえ世の中では少数派かもしれなくても、誰が何と言おうと、私にとって変え替えのない感情、考察なのです。

 実名で思ったことを書く。それが唯一他者に真似されない価値になる。そう信じています。

価値は、考えるな、感じろ。

 本コラムは、レストランテック協会が発信しているメルマガの一部なので、IT企業や理数系の読者層が多いかと思い敢えて定性的な考察を発信するように努めています。

 特に今回は、心理心情についての話なので、根拠の無い情報にアレルギー反応が出てしまう方は離脱しても良いですが、むしろそんな方に今回のコラムは読んで頂きたいです。

 飲食業はクリエイティブ産業です。飲食店は、料理や接客、空間などといったサービスも、刺激や驚き、共感、感動といった感情もまた提供する価値です。

 世の中には「グルメ」と呼ばれる人がいます。「グルメ」という言葉の定義は所説ありますが、一般的に「食通」「美食家」という意味で使われてきました。つまり食にこだわりが強く詳しい人を示す言葉です。

 こうした食に対する知識や見識が深い方は、飲食店が提供する事実を認識した上で、意図的に個人的な解釈を加えることで、より深く食に没入し楽しんでいます。

 飲食業は、食事する時間を通して感動を創る仕事です。それは、「美味しかった」「たくさん食った」「コスパ最強」「かわいい」「健康的」「酔っ払った」「びっくりした」「おしゃれ」「すごい迫力」「サスティナブル」「キレイ」などなど、さまざまです。

 もちろん「営業時間」「消毒」「密閉」「密集」「密接」など、事実も大切です。しかし、お客様が抱いた感情こそが「真実」であり、本来の飲食業が提供する価値ではないでしょうか。

 日本の飲食産業は自由競争のなかで成長を遂げてきました。アメリカやヨーロッパ諸国のように、店舗数規制やライセンス制度などといった柵がなく、正解も不正解もない、誰もが自由に食を表現することができます。

 ここ数年は、世界情勢や政府の動向、周囲の目を気にしながら運営をせざるを得ない日々が続いてきました。

 しかし、日常を取り戻しつつある今こそ、もう一度、日本の外食産業が培ってきた本来の価値を見つめ直していきたいです。

酒井慎平

一般社団法人レストランテック協会

専務理事

20代で外食業界誌の編集長、外食産業記者会の代表幹事を務めた後に29歳で独立。長野県長野市で製造する長期熟成生ハム「掬月 Jamon KIKUZUKI」のブランドオーナー。外食業界に特化した広告代理業を軸に食の価値創造に取り組む。株式会社SATOKA 代表取締役。一般社団法人レストランテック協会 専務理事。NPO法人居酒屋甲子園 アドバイザー理事。一般社団法人これからの時代の飲食店マネジメント協会 プロコンサルタント。

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