
2024.07.24
【竹田クニ】集客課題の「本丸」は何処にあるのか?「グルメサイト不要論」は本当か?
竹田クニのインサイト近年、集客・販促のためのメディアは異様なほど多様化し、PESOモデル(下記解説)の各領域で新たなサービス・手法が生まれてきています。有料&無料、様々な手法を駆使・最適化することで費用対効果を最大化していく...すべての店に有効・万能な手法があるわけではなく、店の業態や特徴・強みによってやり方は異なります。重要なのは、集客課題を構造化し可視化したうえで、その本質的な課題を解決する取り組みではないでしょうか?
「グルメサイト不要論」に感じる違和感
要は“業態と強みによる”?
グルメサイト不要論の概要はこうです。以下はChatGPTによる。
ChatGPT™
「グルメサイト不要論」という言葉は、一般的に次のような意味合いで使われることがあります。
●直接取引の促進:
飲食店が自身のウェノサイトやSNSを活用して、直接顧客との関係を楽くことを重視する考え方です。グルメサイトを介さず、直接予約や情報提供を行うことで、中間手数料を削減しようとする動きがあります。●グルメサイトの手数料への批判:
グルメサイトが飲食店から取る手数料が高いという批判があります。特に小規模な飲食店にとって、手数料が経営に大きな負担となることが問題視されています。●店舗の独自性とブランディング:
グルメリイトに登録することで、知名度や利便性は向上しますが、店舗独自のプランティングやサービス提供において、自由度が制限される可能性があるという観点から、グルメサイト不要論が提起されることがあります。●市場の健全性と競争の促進:
グルメサイトが市場を独占することで競争が抑制される可能性があり、飲食店の多様性や消費者の選択肢が制限されるという懸念もあります。このような観点から、「グルメサイト不要論」という言葉が使われることがありますが、実際には利便性や集客力、手数料の問題など、多にわたる議論があります。
また、一部の飲食店コンサルタント等からは…
グルメサイト集客は、新規顧客に対しては一定の有効性があるが、私が知る○○(飲食店事例)では「常連客が連れてきた新規顧客」がリピーター化する傾向が確認されており、新規客をリピート→常連化させる取り組みが非常に大切である。
○○という店では、インスタ集客が好調で常連と合わせて昨対110%の集客ができている。
違和感はどこに?
筆者が感じる違和感は、業態やターゲット、人気度、立地、規模によって最適な販促手法が異なるという点です。いわゆる人気店・繁盛店であれば、新規客をリピーター化させる力があり、ある一定の「常連化曲線」を意識した活動ができれば、新規顧客の集客を「広告に頼る必要はない」。これはその通りだと思います。
しかしながら、一方で、首都圏ハブ駅の繁華街に立地するサラリーマンターゲットの大箱居酒屋だとどうでしょうか?「目的来店」性が低く、立地はライバルがひしめく歓楽街で、席数も多い。このような店が安定した集客を獲得するためには、グルメサイトによる集客は依然として有効です。
集客のための広告が必要ない人気店・繁盛店が存在することは事実で、それは大変素晴らしいことです。しかし、そうした店は極一握りで、それを他の店に当てはめて考えるのは暴論です。
「グルメサイト」とは何か?有効性は?
いわゆるグルメサイト主要各社の売上合計は、コロナ禍前のデータで約1000億円を上回ります(ホットペッパーグルメ、食べログ、ぐるなび、ヒトサラ、Retty、一休の有価証券報告書等から推計)。また、近年当たり前化したネット予約については、トップのホットペッパーグルメが約5万件弱を掲載しています。これだけの数の飲食店が掲載し、実際に何かしらの費用対効果を上げているというのが現実です
東京商工リサーチ調べ)。
https://www.tsr-net.co.jp/static/hotpepper2021_2/
また、ネット予約には「在庫」の概念があり、飲食店の空席を「在庫」として各社が獲得し、ネット上で予約を受け付けます。これはホテル・旅館、飛行機、ゴルフ場などと構造は同じです。グルメサイトは店の宣伝だけではなく、ネット予約のプラットフォームとしても機能しているのです。
グルメサイトの一般的な活用まとめ
フォーマット・一覧化された中で必要な情報を確認・比較検討できる
店の伝(美味しそう、楽しそう)のアビール
コース、アラカルトのメニュー詳細、予算詳細
席数、個室有無、眺望、デザイン・雰囲気等
地図の掲載
クーポン、ポイント等の獲得
予約エンジンとしての活用
ネット予約
リクエスト予約
決済
リンクとしての活用
・予約した店をSNS等で参加者に共有
こうした基本的な特徴を理解し、自店に合った掲載料金プラン、手数料プラン、ネット予約機能、予約管理等バックヤードシステムの有無、サポート体制、営業担当による有形無形の支援などを総合的に考え、パートナーシップを組むべきです。
店の個性に合わせた活用
大人気&予約困難店であれば、わざわざ金を払って集客目的でグルメサイトを利用する必要はありません。しかしながら、すべての飲食店がそうなることは不可能です。
一方、消費者の側も、趣味的に外食を楽しみ、“なじみの店”をたくさん知っている詳しい人もいれば、外食にあまり関心がなく頻度も低い人もいます。実は、こういった様々な人も、機会や場面によっては飲食店の情報を検索し、比較検討し、そこから直接ネット予約を行うことがあります。
外食の「シーン」自分のアンテナだけでは探せないケースも
飲食店のマーケティングの基本として、筆者がよくお話ししているのが、①街 × ②ターゲット × ③シーンです。「シーン」とは“外食の機会の種類”のことを指し、大きく「オフィシャル」と「プライベート」に分かれ、それぞれが「行事」と「非行事」に分かれます。

自分の好み・条件では決まらない
プライベートの非行事、例えば気心の知れた友人との娯楽的外食や日常のデートでは、自分の好きな店を選べますが、オフィシャルの行事やプライベートの行事、特に大切な人の人生の節目を祝う宴席ではどうでしょうか?自分の好みではなく、その場に求められる雰囲気や予算、相手の好みや事情に合わせて選ぶことになるでしょう。
こうした際に店選びの参考として検索し、ネットで予約し、♪予約はコチラの店ね!とSNSで共有する。こうした行動はまだまだ多くの消費者に見られる行動です。

まとめ「課題とすべき集客課題の「本丸」はどこか?」
集客の「構造」は、下記の概念図で考えるとわかりやすいです。

新規集客がリピーター化することで“根雪”のように積みあがり、リピーター・常連客で賑わい続ける店となるのが理想の姿です。しかし、現実にはリピート客の「脱落」「水漏れ」という現象が起きるため、ある一定数の新規顧客獲得が必要です。これは集客の構造です。この構造は店によって当然異なり、「脱落」「水漏れ」の理由も様々です。
まずはこの構造化と理由・原因の追究こそが取り組むべき「本丸」であり、その改善のための手段が「販促」であるべきです。逆に、この構造化ができておらずにグルメサイトへの集客に頼りすぎているのであれば、それは「グルメサイト依存」であり改善が必要です。ただし、これは「依存のし過ぎは良くない」ということであり、「不要」論とは違います。
飲食店がこの「本丸」にアプローチし、最適な手法のミックスで自店らしい繁盛を実現させる。私たちレストランテック陣営は、本質的な課題に対するアプローチを飲食店と共に考える“支援者”でありたいものです。

竹田クニ
株式会社ケイノーツ
代表取締役
早稲田大学商学部卒業後、1988年株式会社リクルート入社。HR事業、旅行情報事業の営業部長、じゃらんリサーチセンターで地域活性事業のプロデューサー、経営企画部中長期戦略室などを経て2011年に飲食情報事業のシンクタンクHPGリサーチセンター(現・外食総研)の初代センター長に就任。計29年在籍の後、2016年に独立し(株)ケイノーツ設立。現在は外食マーケティングのスペシャリストとしてマーケティング、消費者の価値観変化、生産性向上などをテーマに記事執筆、講演活動、フードビジネス関連企業のアドバイザリー・顧問、食のビジネスマッチングなど活動中。









































